レッドブル兄弟チームの提携を批判するブラウン。公平性を損なうルールは「変える必要がある」と主張

 マクラーレン・レーシングのCEOであるザク・ブラウンは、F1におけるレッドブルの二重チーム所有に対する批判をますます強めている。バーレーンでのプレシーズンテスト中にレーシング・ブルズの新型マシン『VCARB 01』のハンドルを握ったダニエル・リカルドと角田裕毅が見せたパフォーマンスは、彼のスタンスを変えさせるために何の役にも立たなかった。

 レッドブル・レーシングからセカンドチームへの広範な知識の移転が行われているのではないかと懸念する多くの人々がいるなかで、トップチームですらレーシング・ブルズがチャンピオンシップで彼らを破り、貴重な賞金が奪われるのではないかと危惧し始めている。

 誰もレッドブルがルールを守っていることに本気で異論を唱えているわけではないが、ブラウンは公然と状況に疑問を呈し、スポーティングレギュレーションの特定の部分が合意された時点で状況は大きく変わっており、それを変更することが本質的なことだと主張した。

「スポーツは進化し続けている。我々はいまや予算の上限を設定しているが、これは財政面でもその他のあらゆる面でもスポーツに公平な競争条件をもたらすために意図され、ほとんどの部分で機能していると思う」とブラウンは語った。

 マクラーレンのボスは「私の知る限り、他のメジャースポーツでは互いに競争するふたつのチームの共同オーナーシップを認めていない」と付け加えた。「したがって、現在予算上限の時代に入っているこのスポーツは、スポーツ面、政治面、技術的な観点から10の独立したチームを持とうとしている段階に移行していると考えている」

ザク・ブラウン(マクラーレン・レーシングCEO)

 そしてブラウンは、レッドブルが現在行っていることに違法性はないことを認めたうえで、公平性の名の下に物事を変える必要があると主張した。

「簡単に言えば、彼らはルールに従って行動している。しかし、私はルールに問題があり、FIA国際自動車連盟がこれに対処する必要があると信じている。ヘルムート・マルコ(レッドブルのモータースポーツ・コンサルタント)が述べたように、彼は機会を最大限に活用するつもりだ」

 しかし、すべてのスポーツにおける予算上限の意図が平等なフィールドを提供することであるならば、現在のルールの書き方は誰にとっても同じではないと私は思う。そしてチームにはポケットがあり、またA/Bチーム全体の状況も平等な土俵に立てないという状況もある。だから、我々は今この問題に対処する必要があり、FIAもルールを通じてそれに対処する必要があると思う」

 F1のパドックでは、レッドブルがセカンドチームを作ることを推し進めている背景に、オーストリア企業の手からチームを引き離す買い手を惹きつけることが目的であるとの見方が一般的だ。というのも、現在の状況は長くは続かず2026年のスポーティングレギュレーションによって禁止される可能性が高い。

 買い手を募るにあたっては、ランキング8位や9位になったチームよりも、選手権で5位以内に入ったチームの方が、はるかに良い価格で売ることができる。パドックで信じられているレッドブルの試みが思惑どおりに進んだ場合、2年後に新しい競技規則と技術規則が施行されるよりも前に、ブラウンが批判する現在の状況が解決する可能性がある。

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