毎年1月に大阪・守口市でおこなわれる『守口大根長さコンクール』。収穫した「守口大根」の長さで競う大会なのだが、その大会風景は度々SNS上で話題となる。それもそのはず、エントリーしている大根がいずれも尋常ではない長さなのだ。なんでこんなに長いんだ・・・?ということで、市の担当者に尋ねてみた。
守口大根の栽培風景。大根の長さに合わせ、畝(うね)も1mほどの高さになる(写真提供:守口市)
■ 2005年に市で復活を果たした守口大根
「守口大根」とは、かつて守口市で栽培されていたものの明治時代に一度栽培が途絶え、2005年に市と守口都市農業研究会の手によって復活した希少種の大根を指す。
最大の特徴はなんといってもその長さだろう。市場に流通している青首大根の長さが40cm程度なのに対し、守口大根はなんと平均130cm!
なぜここまでの長さなのか気になるところだが、室町時代末期、淀川沿いの畑(現在の守口市周辺)で、突然変異で誕生したものが発祥といわれている。当時は現在ほどではなかったもののそれでも60~70cmだったというからレベルが違う。
■ 歴代最高記録はなんと「244cm」
そんな守口大根の魅力を市民に発信し、継承していく目的でスタートした同コンクール。市では毎年9月上旬に希望した市民に向けて大根の種子を配布しており、その際にコンクールへの参加呼びかけもおこなっている。実際に、コンクールの個人の部には野菜のプロともいえる農家に混ざり一般の市民も自慢の守口大根を出品しているという。
令和5年度におこなわれた『守口大根長さコンクール』。このときの最長記録は212cm(写真提供:守口市)
コンクールでは「長さ」が重視されることもあり、大半の参加者は栽培過程で長く育つように工夫をこらしているとか。しかし、思う通りに長く成長せず苦戦するケースや途中で大根が土とともに倒れ、折れてしまうというケースもあるといい、なかなか難しいようだ。
そうなると気になってくるのが、過去のコンクールでの最長記録。市によれば、2020年に団体の部で出場した「特別養護老人ホーム 梅香苑」による「244cm」が最高記録となるという(※市独自の計測方法による)。
2024年で10回目を迎えた同コンクール。さすがに歴代最高記録である244cmを超える猛者はなかなか現れない気もするものの、今後のコンクール模様から目が離せない。
取材・文/つちだ四郎