初日はポルシェ963が最速、フェラーリ499Pが続く。LMGT3はマクラーレン首位【WECプロローグ】

 カタールの首都・ドーハの北に位置するルサイル・インターナショナル・サーキットで2月26日、WEC世界耐久選手権の2024年の公式プレシーズンテスト“プロローグ”が開始された。18時から5時間行われたセッション2では、ハーツ・チーム・JOTAの12号車ポルシェ963(ウィル・スティーブンス/カラム・アイロット/ノルマン・ナト組)が初日最速タイムを記録している。

 既報のとおり、当初24〜25日に開催される予定だったこのテストは、海峡閉鎖による海上輸送の遅延により、一部チームの車両や機材のサーキット到着が遅れたことから、26〜27日へと日程が変更されていた。

 各チームにはセッション1とセッション4のどちらに参加するか選択肢が与えられたが、大半のチームは27日午後のセッション4を選択したことから、26日14時に開始された3時間のセッション1は、9台のみの走行にとどまった。

 このセッション2からは、エントリーする37台すべての車両が無事に走行を開始している。このセッションは主に夜の闇と照明の下で行われた。

 セッションは序盤、ハーツ・チーム・JOTA38号車のジェンソン・バトンが1分41秒489という最速タイムを記録してトップに立つ。これはセッション1で12号車が記録したセッションベストを上回るタイムだったが、その直後に僚友12号車のアイロットが1分40秒541をマークして全体ベストを更新、これがセッション2および初日の最速ラップとなった。

 アイロットのベストタイムに続いたのは、フェラーリAFコルセ50号車フェラーリ499Pのアントニオ・フォコだった。フォコは1分40秒673という僅差の2番手タイムを、セッション中盤に残している。

 3番手はバトンが1分40秒950にまでタイムを縮めたJOTAの38号車ポルシェ。4番手に51号車フェラーリ、5番手にキャデラック・レーシングの2号車キャデラックVシリーズ.Rと続き、今季から参戦する“3台目のフェラーリ499P”、AFコルセの83号車がイーフェイ・イェのタイムで6番手に入った。

 王者・トヨタGAZOO Racingは、8号車GR010ハイブリッドが最多となる138周を走り込み、13番手。7号車は16番手で、このセッションを終えている。

 WECの公式セッション初登場となったBMW Mハイブリッド V8(BMW Mチーム WRT)は15号車が9番手に。ランボルギーニSC63(ランボルギーニ・アイアン・リンクス)は首位から約2秒落ちの15番手となった。アルピーヌA424は36号車が17番手、セッション1でも走行したイソッタ・フラスキーニ・ティーポ6-Cは19台のハイパーカー・クラス最後尾となり、トップからは3.7秒おくれている。

公式セッションデビューを飾ったランボルギーニSC63

 LMGT3クラスでは、グレゴワール・ソーシーが1分54秒480を叩き出したユナイテッド・オートスポーツの59号車マクラーレン720S GT3 Evo(ジェームス・コッティンガム/ニコラス・コスタ/ソーシー)が首位に。2番手にはビスタ・AFコルセ54号車フェラーリ296 GT3、3番手には日本の木村武史も加わるアコーディスASPチームの87号車レクサスRC F GT3が入っている。

 小泉洋史の加わるTFスポーツ82号車コルベットZ06 GT3.Rはセッション1に続いてクラス5番手に入り、日本籍チームのDステーション・レーシング777号車アストンマーティン・バンテージGT3は6番手。佐藤万璃音のユナイテッド95号車マクラーレンは、18番手とクラス最下位でこのセッションを終えている。

 5時間のセッションは、トーマス・フローの54号車フェラーリの停止による冒頭数分での赤旗を含む、合計3回の赤旗によって中断された。

 ハリー・ティンクネルがドライブするプロトン・コンペティション99号車ポルシェ963はターン2のグラベルで立ち往生し、残り2時間半でセッションは2度目の中断となったが、その後99号車はセッションに復帰している。

 また、残り90分あまりのところで3回目の最後の赤旗が提示された。WECの広報担当者によれば、数匹の猫がサーキットに侵入したための赤旗だったという。

 セッション3は現地時間の火曜午前10時から、3時間のセッションが予定されている。

首位から僅差で初日クラス3番手となったアコーディスASPチームの87号車レクサスRC F GT3

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