「ポジティブに捉えている」ドローで迎える2戦目、北朝鮮との対決の南萌華が考えるポイントは「球際では負けないことが大前提」

北朝鮮戦へ意気込みを語る南萌華[写真:©超ワールドサッカー]

なでしこジャパンのDF南萌華(ローマ)が、北朝鮮女子代表との決戦に向けて意気込んだ。

なでしこジャパンは24日、パリ・オリンピックアジア最終予選第1戦となる北朝鮮戦をサウジアラビアで行い、ゴールレスドローで終えた。翌日に現地でのトレーニングを挟み、26日に帰国。そのまま、コンディション調整に重きをおいた軽めのトレーニングを行った。

北朝鮮との第一戦を振り返った南は「裏にボールを蹴ってきてセカンドを拾ってという形で、想像していた通り勢いのあるプレースタイルで臨んできました」と相手を分析。「FWの足元につけてワンタッチで捌いたりというシーンもあったので、そこは2試合目は上手く対応しなければいけないなと思います」と、少し予想外のプレーもあったと警戒した。

日本は押し込まれることも多く、なかなかサイド攻撃ができず、特に右サイドバックのDF清水梨紗がオーバーラップできずにいた。

南は「ボールを動かしながら相手の出方を見てビルドアップしていました」と狙いを語り、「後ろ3枚で探りながらでしたが、相手が5バックでうまくブロックを引きながら守備をしてきた中で、もう少しボールをドリブルで運んだり、パスだけじゃなく、そういうはがすというところも必要だったと思います」と、パスに偏ったこととを反省した。

その影響はピッチもあったとし「ピッチの部分でも夢フィールドのように綺麗なピッチではなかったことも難しかったです」とコメント。ただ、「守備としては、山さん(山下杏也加)含めて失点せずに終えられたことは良かったと思います」と、押し込まれながらのクリーンシート達成には自信を窺わせた。

ドローでホームに戻ってきた中、チームとしては「2戦あるということで、合計でパリ行きが決まるので、チームを含めてポジティブに捉えています」とコメント。「結構攻め込まれていた中でゼロで終えられたことはポジティブなので、次で決まるので、しっかりとチームとして向かえればと思います」と、しっかりと勝ってパリ行きを決めていきたいとした。

一方で、勝利にはゴールも必要。「縦パスやFWにつけるボールを増やしたり、テンポの出るようなボールをもう少し配給できればと思います」と南は課題を口にし、「後ろはリスクを冒さないことが大事なので、まずは失点をしないことと、もう少し攻撃につながるような縦パスを出していければと思います」と、攻撃面でも最終ラインから関与していきたいと意気込んだ。

ローマでは[4-3-3]でプレーしており、なでしこジャパンとシステムは同じ。その中で、攻撃面では違いがあるが「キャラクターはあると思います」と違いを語り、「ウイングの選手がとにかく仕掛けるだけの選手なので、ボールを動かすというよりも、サイドに預けて仕掛けさせるというのがローマの戦術です」と説明。「今の代表はボールを動かしながら上手くスペースを作って、何人も関わっていきながらということはローマにはできないことで、こっちではできるので、自分の中でも頭を切り替えてビルドアップに関わっていければと思います」と、クラブとのやり方の差がありながらも、しっかりと合わせていきたいとした。

また、パワーのある北朝鮮の脅威はCKを含めたセットプレー。南は「セットプレーでやられるとチームとして難しくなるので、個人としてはもう一回気を引き締めてマークは集中してついていきたいなと思います」と語り、「攻撃のところではタイトについてくる分、そこを上手く使いながら、1人はがせればチャンスが絶対作ってくるので、セットプレーでは失点しないことと、得点できたらチームとして楽になるので、注意しながらも攻撃のところで狙っていきたいと思います」と、ボックス前では守備でも攻撃でもCKを活かしたいとした。

実際に北朝鮮との対戦経験を活かしたい第2戦。「選手が同じでくるかは分からないですが、やってくる形は大きくは変わらないと思うので、単純に球際のところだったり、1つのパスというところで、球際では負けないことが大前提」と、ポイントを分析。「前回は暑さもあって疲労もあって、パスミスも多かったので、そこを減らしていければもっと良い攻撃も出していけると思います。さらに集中して試合に臨めればと思います」と、しっかりと試合に向けて整えて、決戦に向かいたいと意気込んだ。

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