防災力アップへ「ちょこっとでも備え」 別府市など子育て支援の5人が講座【大分県】

地震時の身の守り方を指導する明石佳子代表=別府市社会福祉会館

 【別府・大分・中津】「ちょこっとでも備えちょかん(備えておかない)?」―。県内で子育て事業に関わる別府市、中津市、大分市の5人が地域の防災力アップにつなげようと「そなえちょこっと!プロジェクト」(明石佳子代表)に取り組んでいる。全国でさまざまな災害が多発する中、防災について楽しく学べる講座を多世代に向けて開いている。

 県子育て応援活動リーダー養成研修を修了した5人が、2021年にプロジェクトを始動した。子育て世帯を対象にしたアンケートで災害に対する備えの低さが浮き彫りになったのがきっかけ。県内各地の子育て支援センター、公民館などで講座を開き、子育て世代が地域のさまざまな世代と関わりながら、防災や減災の知識を学んでいる。

 17日は、別府市中部ひとまもり・まちまもり協議会が市社会福祉会館で開いた「体験型防災食イベント」に、防災士の明石代表(41)=同市=とメンバーの木本千代美さん(61)=中津市=が講師として参加。子どもから高齢者までの約70人が、地震の仕組みや身の守り方などを学び、防災食を実際に作って食べる体験をした。小学生の娘と参加した母親(39)は「家族と避難場所を共有しておくことや地域とのつながりの必要性を実感した」と感想。

 明石代表は2人の小学生を育てる母親でもあり、両親、祖母を含めた4世代で暮らす。同居しているからこそ分かる各世代の困り事に応じた防災情報の提供に力を入れており、日頃からの備えの大切さを訴える。

 明石代表は「地域との顔の見える関わりや、家族の誰に何が必要かを知っておくことが大切。災害はゼロにはできないが、備えた物を実際に使いこなすなど、生活の延長線上で減災を捉えてほしい」と話している。

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