敷地内はまるで迷路。初めて巡ると、東西南北どちらを向いているかも分かりづらい。大天守と三つの小天守、それをつなぐ四つの渡櫓(わたりやぐら)で構成される連立式天守が特徴の姫路城(兵庫県姫路市本町)。複雑に入り組んだ構造が、難攻不落ぶりを支えている。
今回の写真は「ハの渡櫓」から眺めたもの。写真右に大天守、同奥に東小天守、同左奥に「ロの渡櫓」が重なり合うように立つ。
これは、今しか見られない光景だ。城の一般公開が始まった1912(大正元)年以降、初公開されている西小天守を含め、普段非公開の五つのエリアを今月29日まで見学できる。
ただ江戸初期の築城以来、一度も戦はなく、堅守ぶりを発揮することはなかった。(辰巳直之)