米国防総省、オースティン長官の秘密入院に「悪意なし」 調査報告

米国防総省は26日、ロイド・オースティン国防長官(70)が昨年12月と今年1月に入院したことをホワイトハウスに報告しなかった問題について、長官に悪意はなかったとする調査報告を公表した。

国防総省は3ページの報告書で、オースティン長官とそのスタッフには、「悪意や、周囲をごまかそうとする意図」は「何もない」と結論づけた。

オースティン氏は前立腺がんの治療を受けており、昨年12月と今年1月の入院をホワイトハウスに報告しなかったことについて、2月に謝罪している。

機密指定されていない内部調査は、「前例のない状況」について連絡不足の問題があったと指摘。スタッフは長官の医療上のプライバシーを守ろうとしていたのだと説明した。

「長官の権限委譲に関する判断手続きには、改善の余地があり、改善される必要がある」と調査報告は述べ、「今回の調査で点検した内容には、悪意や周囲をごまかそうとする意図がうかがえるものは何もなかった」としている。

報告書によると、長官スタッフは長官権限をキャスリーン・ヒックス副長官にゆだねる手続きを、1月2日に開始した。長官はすでに前日に入院し、2日の時点では集中治療室に移動していた。

ホワイトハウスや、プエルトリコで休暇中だった副長官が、長官の入院について知らされたのは1月4日になってのことだった。

アメリカ軍の指揮系統においては、大統領が全軍の最高司令官を務め、その直下に国防長官が位置する。国防長官は政権において最も重要な役職の一つ。

オースティン氏は2月1日の記者会見で、入院を公表しなかったことについて謝罪。「我々は適切に対応しなかった。私が、適切に対応しなかった。がんの診断を受けたことを、大統領に伝えるべきだった。自分のチームやアメリカ国民にも、伝えるべきだった。その責任はすべて自分が負う」と述べていた。

米下院軍事委員会は、この問題について長官に委員会での証言を要請しており、長官は今月末にも公聴会に出席する予定となっている。

(英語記事 Pentagon says Lloyd Austin showed 'no ill intent' in secret hospital stay

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