犬のしぐさに隠された気持ち 人に置き換えるとどうなる?

犬がよくする何気ない行動には、さまざまな気持ちが隠されています。しかし、人にとってはわかりづらく、気持ちをくみ取ってあげるのは難しいもの。そこで今回は、犬のしぐさや行動を人に置き換えて、獣医師の増田宏司先生が楽しく解説してくださいました。

飼い主さんをなめる → 赤ちゃんがお母さんに抱きつく

引用元:いぬのきもち投稿写真ギャラリー

飼い主さんの顔や手をなめるのは、甘えたい気持ちのあらわれです。犬の足は速く走ることに特化して進化したため、人のように手(前足)を器用に使うことはできません。その代わりに舌を使ってなめることで、まるで赤ちゃんがお母さんの腰に抱きついたり、手を握ったりするかのように、飼い主さんに一生懸命甘えているのです。

噛んだあとになめる場合は要注意

ちなみに、飼い主さんの手を噛んだあと、同じ場所をなめてくる犬がいます。一見反省しているようにも見えますが、これはなめることで自分の強さをアピールする行動。「次はもっと強く噛むぞ」と警告しているため要注意です。

飼い主さんをじっと見つめてくる → 憧れの人を陰からそっと見つめる

引用元:いぬのきもち投稿写真ギャラリー

犬も人と同様、気になる人のことはつい目で追ってしまうもの。飼い主さんをじっと見つめるのは、大好きな飼い主さんのことをつぶさに見守りたいという気持ちのあらわれです。人で例えるなら、さながら「憧れのあの人」を陰からそっと見つめるような行動といえるかも。

飼い主さんが見つめ返せば「幸せホルモン」が出ることも

愛犬に見つめられたら、飼い主さんもやさしく見つめ返してみるとよいでしょう。お互いの体内で「幸せホルモン」と呼ばれるオキシトシンが分泌され、愛犬との絆を深めるのに役立ちますよ。

ニオイをかぎにくる → 好きな人の細やかな変化に気づこう意識する

引用元:いぬのきもち投稿写真ギャラリー

犬にとってニオイは重要な情報源。ニオイをかぐのは、飼い主さんがいつもどおりか確認したい気持ちのあらわれです。人でいうと、相手の髪型や服装の変化などを気にかけるようなもの。「いつもあなたを見ているよ」という好意のあらわれでもあるでしょう。

犬のしぐさを人に置き換えてみると、一気に親近感がわきますね。愛犬との絆を深めるヒントにしてみてください。

※この特集では内容をわかりやすくするために擬人化した表現を用いています。

お話を伺った先生/増田宏司先生(獣医師 獣医学博士 東京農業大学農学部動物科学科(動物行動学研究室)教授)
参考/「いぬのきもち」2023年5月号『飼い主さんへの行動はまるで”推し活”!? あのフシギ行動の理由も! 犬のしぐさを人に置き換えたらよ~くわかった!』
文/柏田ゆき
※写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。

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