【詐欺注意】その『投資LINEグループ』大丈夫!? 著名人を名乗る投資詐欺が増加中 広島県警「1人で決めて行動を起こす前に、必ず誰かに相談を」

【動画】被害増加 LINE投資詐欺

スマートフォンを所有する人のほとんどが利用しているとされるのが、通信アプリの「LINE」です。この機能を悪用した投資詐欺が増えています。その実態を探りました。

増加する『LINE詐欺』

画面に飛び込んできた通知の用件は、「資産投資の必修コース」。トーク内容は、「利回りが30パーセントから50パーセント」「まじで30パーセント以上、上がっている」と、心躍る謳い文句。しかし、これは詐欺かもしれません。

「LINE」は、スマートフォンなどでメッセージを送ることができる通信アプリです。電話番号が分かれば、自動的に登録出来るため、心当たりのないグループから接触されることがあり、警察も警鐘を鳴らします。

■広島県警 井原秀貴 減らそう犯罪情報官

「ラインなどのSNSを利用した、投資目的の金融商品詐欺が増加している。」

広島県警は2月14日、「LINE」のグループに参加した東広島市内の男性が1100万円を騙し取られたことを明らかにしました。同様の被害は、2023年だけでも、広島県内で12件・7400万円を確認しています。

著名人を名乗る人物は…

視聴者から「怪しい」との情報提供があった「LINE」のグループには、ビットコインなど暗号資産への投資を誘う投稿が、1日に何十件も送られてきます。これをきっかけに入金しかけたという、50代の男性の証言です。

■男性

「去年の年末にフェイスブックを見ていたら、池上彰さんの顔と写真と名前で、無料の投資セミナーを開催しますのでご参加くださいとあった。面白そうだなと思って、(リンクをクリック)してLINEグループに入った。」

著名人の名前に惑わされたと言う男性。直後、「池上彰」さんを名乗る人物から、連絡が入ります。

■「池上彰」さんを名乗る人物

「はじめまして池上彰です。無料の投資勉強と優良株情報をご希望でしょうか。」

これは当然、まったくの嘘。池上さんが公認するファンサイトや番組サイトは、「投資勧誘には一切関わりはない」と注意喚起しています。しかし男性は…

■男性

「ところどころ、先生役の投資分析がそれなりに的確だった。他の人は儲かった儲かったって。私もちょっと焦ったんですよ、それで。」

ここに、巧妙な罠が潜んでいました。グループの中には、情報を発信する「先生」役や「著名人」のほか、複数の「おとり」役が存在。「他の人も儲かっているから大丈夫」と、誘導されていきます。

■男性

「1対1だったらきっとだまされない。これがLINEグループだから自分がおかしいなと思っていても、まわりが「そうだそうだ」「私も私も」って言ってくると、私がまちがってたのかな、この人達がただしいのかなってそんな気になってくる。洗脳に近いですね。」

男性は入金の直前、念のために送った質問が無視されたため、「信用できない」と確信し、振り込むことはありませんでした。

このグループの「先生」役の人物は、実在するアメリカの企業の「アナリスト」を名乗っていました。しかし「先生」が紹介した企業のホームページは、本物そっくりの偽物。インターネット上の住所、「ドメイン」の末尾が違います。このページは、入金用のアプリに繋がる仕組みになっていました。本物のホームページから問い合わせると、「彼は当社では働いていません。社名を違法に使用しています。」と返答があり、すべて虚偽であることが分かりました。

投資名目の詐欺に警戒を

「LINE」を利用した手口で相次ぐ、投資名目の詐欺被害。広島県警は、春にかけて警戒を強めます。

■広島県警 井原秀貴 減らそう犯罪情報官

「この春に退職を迎える方が、受け取った退職金の運用先を考える時期に入るため、今後金融商品詐欺の被害が増える可能性があります。1人で決めて行動を起こす前に、必ず誰かに相談してください。」

だまされない為に注意すべきこと

こうした詐欺は、入金後アプリ上で投資がうまくいったと見せかけており、いざ出金しようとすると出金できず、ようやく騙されたと分かると言います。だまされない為に注意すべきことを、広島県警に聞きました。

①条件の良すぎる儲け話は信じない。

②大きな資金を動かす際は、家族や友人に相談する

③正規の登録業者を利用する

④個人口座に振り込まない

⑤アプリの設定を変更する

LINEは、設定画面から自動で登録されないようにしたり、友達以外からメッセージを受信できないよう、設定できます。ひとりで悩まずしっかり確認することが大切です。

【広島テレビ「テレビ派」 2024年2月14日放送】

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