クルーズ船観光が再開、春節にニーズが旺盛―中国

中国でクルーズ船観光が再開した。写真はロイヤル・カリビアン・インターナショナルのクルーズ船「スペクトラム・オブ・ザ・シーズ号」に設置された海の上のボルダリングウォール。

中国の春節(旧正月、今年は2月10日)連休の5日目に当たる14日、愛達郵輪(アドラクルーズ)社のクルーズ船「地中海号」が乗客1600人を乗せて天津国際クルーズ母港に帰港した。同日、同クルーズ船は再び新たな航海が始まった。新華社が伝えた。

同港の通関検査を担当する天津東疆出入国検査所は今年1月以降、クルーズ船で出入国した延べ5万5100人を検査の上通過させた。上海のクルーズ船通関地は2月にクルーズ船延べ20隻の出入国検査を行い、延べ7万8000人以上を検査する見込みだ。国際クルーズ船輸送が全面的に再開されてから初の春節を迎え、中国ではクルーズ船観光ニーズが集中的に発揮され、消費の活力が勢いよく現れている。

中国交通運輸協会クルーズ船・ボート分科会の鄭煒航(ジョン・ウェイヘン)副会長兼事務局長は、「私は中国のクルーズ船経済の発展の見通しに常に大きな信頼感を寄せている。今年と来年の2年間の育成期を経て、中国のクルーズ船は新たな発展を迎えるものと期待される」と述べた。

大手クルーズ船会社は昨年から相次いで運航を再開した。有名クルーズ船会社のロイヤル・カリビアン・インターナショナルの劉淄楠(リウ・ズーナン)グローバルシニア副社長兼アジア圏代表は、「当社の今年のクルーズ船母港航路の始発船は4月27日に上海を出発するクルーズ船『スペクトラム・オブ・ザ・シーズ号』だ。発売開始3日間で消費者から大きな反響があり、航海初日の乗船券の予約件数はこれまでの最高の2倍になった。そして来年1月に出発予定の航海まで予約が入り始めている」と述べた。

劉氏は「今年の春節連休期間に『スペクトラム・オブ・ザ・シーズ号』はシンガポールで運航した。中国とシンガポールのビザ相互免除がスタートしたのに伴い、たくさんの中国人観光客が東南アジアに観光に出かけるようになり、クルーズ船に乗って、ゆったりとした旅を楽しんでいる」と説明した。

長年にわたりクルーズ船経済を研究してきた上海工程技術大学の葉欣梁(イエ・シンリアン)教授は、「クルーズ船の数ということでは、2024年に中国のクルーズ船業界は目覚ましい成長を遂げつつある」と述べた。

昨年以降、中国の交通主管当局による「国際クルーズ船輸送の秩序ある試験的運航再開プラン」、上海市による「国際クルーズ船経済の質の高い発展を推進する上海行動プラン(2023-25年)」、青島市による「青島市のクルーズ船観光の質の高い発展を促進する支援措置」などが発表されてきた。こうした一連の政策が積極的なシグナルを発し、クルーズ船産業に原動力を注入している。(提供/人民網日本語版・編集/KS)

© 株式会社 Record China