【米ビルボード・ソング・チャート】ビヨンセ「Texas Hold 'Em」が首位浮上、ソロ9曲目のNo.1に

ビヨンセの新曲「Texas Hold 'Em」がHot 100史上1,164番目の1位を獲得した、今週の米ビルボード・ソング・チャート。

先週2位に初登場した「Texas Hold 'Em」は、登場2週目の今週(2024年2月16日~2月22日)、ストリーミングが2,900万回(51%増加)、エアプレイが1,610万回(233%増加)、セールスは29,000(25%減少)をそれぞれ記録して、デジタル・ソング・セールス・チャートで2週目の首位を獲得。ストリーミング・ソング・チャートでも先週の2位から1位に浮上して、エアプレイ・チャートでは43位に初登場した。

2013年から集計が始まったストリーミング・ソング・チャートでの首位獲得は、「ドランク・イン・ラブ feat. ジェイ・Z」(2014年 / 4週)、エド・シーランの「パーフェクト with ビヨンセ」(2018年 / 1週)、ミーガン・ザ・スタリオンの「サヴェージ feat. ビヨンセ」(2020年 / 1週)に続く4曲目で、ゲストを含まないリード・アーティストの曲としては、初の首位獲得曲となる。

「Texas Hold 'Em」はカントリー・ソングとして制作された曲で、カントリー・ソング・チャートでは先週自身初のNo.1タイトルを獲得し、今週2週目の首位をキープした。

Hot 100とカントリー・ソングの両チャートで同時に1位を獲得したのは、昨年の9月にザック・ブライアンの「アイ・リメンバー・エヴリシング feat. ケイシー・マスグレイヴス」が達成して以来約半年ぶり、以下に続く史上26曲目で、2024年では初の快挙となる。

ビヨンセ「Texas Hold 'Em」(2024年)
ザック・ブライアン「アイ・リメンバー・エヴリシング feat.ケイシー・マスグレイヴス」(2023年)
オリヴァー・アンソニー・ミュージック「リッチ・メン・ノース・オブ・リッチモンド」(2023年)
ジェイソン・アルディーン「トライ・ザット・イン・ア・スモール・タウン」(2023年)
モーガン・ウォレン「ラスト・ナイト」(2023年)
テイラー・スウィフト「オール・トゥー・ウェル(テイラーズ・ヴァージョン)」(2021年)
テイラー・スウィフト「ウィ・アー・ネヴァー・エヴァー・ゲッティング・バック・トゥゲザー」(2012年)
ローンスター「アメイズド」(1999~2000年)
ケニー・ロジャーズ&ドリー・パートン「アイランド・イン・ザ・ストリーム」(1983年)
エディ・ラビット「恋のレイニー・ナイト」(1981年)
ドリー・パートン「9 To 5」(1981年)
ケニー・ロジャース「レイディ」(1980年)
グレン・キャンベル「哀愁の南」(1977年)
C・W・マッコール「コンボイ」(1975~76年)
ジョン・デンバー「アイム・ソーリー」(1975年)
グレン・キャンベル「ラインストーン・カウボーイ」(1975年)
ジョン・デンバー「すばらしきカントリー・ボーイ」(1975年)
フレディ・フェンダー「涙のしずく」(1975年)
B.J.トーマス「心にひびく愛の歌」(1975年)
ビリー・スワン「アイ・キャン・ヘルプ」(1974年)
チャーリー・リッチ「朝やけの少女」(1973年)
ボビー・ゴールズボロ「ハニー」(1968年)
ジーニー・C・ライリー「ハーパー・バレー P.T.A.」(1968年)
ジミー・ディーン「ビッグ・バッド・ジョン」(1961年)
マーティー・ロビンス「エルパソ」(1959~60年)
ジョニー・ホートン「ニューオーリンズの戦い」(1959年)

ジャンル別では、カントリー・エアプレイ・チャートで54位から34位に上昇し、同チャート初のTOP40入りを果たした。その他、ポップ・エアプレイ・チャートで38位から25位に上昇し、アダルト・ポップ・エアプレイ・チャートでは28位、アダルトR&Bエアプレイ・チャートで28位、リズミック・エアプレイ・チャートで36位、R&B/ヒップホップ・エアプレイ・チャートで36位、メインストリームR&B/ヒップホップ・エアプレイ・チャートでは40位に、それぞれ初登場した。

ビヨンセがHot 100で首位を獲得するのは、2022年8月13日~22日付の2週を記録した「ブレイク・マイ・ソウル」以来約1年半ぶりで、以下に続く9曲目、グループとして活動していたデスティニーズ・チャイルドのタイトル4曲を含めると、通算13曲目に記録を更新した。

ビヨンセ 首位獲得曲
「クレイジー・イン・ラヴ feat. ジェイ・Z」(2003年)
「ベイビー・ボーイ feat. ショーン・ポール」(2003年)
「チェック・オン・イット feat. スリム・サグ」(2006年)
「イレプレイスブル」(2006年)
「シングル・レディース(プット・ア・リング・オン・イット)」 (2009年)
エド・シーラン「パーフェクト with ビヨンセ」(2017年)
ミーガン・ザ・スタリオン「サヴェージ feat. ビヨンセ」(2020年)
「ブレイク・マイ・ソウル」(2022年)
「Texas Hold 'Em」(2024年)

デスティニーズ・チャイルド 首位獲得曲
「ビルズ・ビルズ・ビルズ」(1999年)
「セイ・マイ・ネーム」(2000年)
「インディペンデント・ウーマン Part1」(2000年)
「ブーティリシャス」(2001年)

ソロで首位を獲得した上記9曲のうち、6曲にビヨンセは共同プロデューサーとしてクレジットされている。また、デスティニーズ・チャイルドとして首位を獲得した4曲中、3曲はソングライターとして、2曲は共同プロデューサーとして参加した。

ビヨンセは、これでソロとして初めて首位を獲得した「クレイジー・イン・ラヴ」(2003年7月12日付)から今週(2024年3月2日付)「Texas Hold 'Em」がトップに立つまでの期間を20年7か月3週間に伸ばし、歴代のブランク記録を以下に続く9番目に更新した。

ブレンダ・リー「ロッキン・アラウンド・ザ・クリスマス・ツリー」63年5か月3週間(1960年7月18日~2024年1月6日)
マライア・キャリー 33年4か月3週間(1990年8月4日~2023年12月30日)
シェール 28年5か月 (1971年11月6日~1999年4月3日)
エルトン・ジョン 24年11か月1週間(1973年2月3日~1998年1月10日)
ビーチ・ボーイズ 24年4か月 (1964年7月4日~1988年11月5日)
マイケル・ジャクソン 22年10か月3週間 (1972年10月14 日~1995年9月2日)
スティーヴィー・ワンダー 22年6か月 (1963年8月10日~1986年2月8日)
ロッド・スチュワート 22年4か月 (1971年10月2日~1994年2月5日)
ビヨンセ 19年1か月 (2003年7月12日~2022年8月13日)

なお、デスティニーズ・チャイルドとして初めて首位を獲得した「ビルズ・ビルズ・ビルズ」(1999年7月17日付)から今週「Texas Hold 'Em」がトップに立つまでの期間は24年7か月2週間で、上記のアーティストではシェールがソニー&シェールの記録を含めて33年7か月2週間 (1965年~1999年) 、マイケル・ジャクソンがジャクソン5の記録を含めて25年7か月1週間 (1970年~1995年) を達成したのに続く、3番目の記録に到達した。

また、ビヨンセはこれでマライア・キャリーに続き1990年代、2000年代、2010年代、2020年代の4年代で1位を獲得した2組目のアーティストとなった(デスティニーズ・チャイルドの記録を含む)。

ビヨンセは、今週「Texas Hold 'Em」が1位を獲得したことで首位獲得総週を通算45週目に更新し、以下に続く7番目に記録を更新した。なお、デスティニーズ・チャイルドとして首位を獲得した4曲の総週は17週で、グループとしてのタイトルを含めると62週間に記録を更新したことになる。

93週 マライア・キャリー
60週 リアーナ
59週 ザ・ビートルズ
56週 ドレイク
50週 ボーイズIIメン
47週 アッシャー
45週 ビヨンセ
37週 マイケル・ジャクソン
34週 アデル
34週 エルトン・ジョン
34週 ブルーノ・マーズ
34週 テイラー・スウィフト

59週間を記録したザ・ビートルズのメンバーでは、ポール・マッカートニーがソロで首位を獲得した30週間を含めて89週間、ジョージ・ハリスンとジョン・レノンはソロで首位を獲得した6週間を含めて65週間、リンゴ・スターはソロで首位を獲得した2週間を含めて61週間、それぞれ記録を保持している。また、37週間を記録したマイケル・ジャクソンは、ジャクソン5で達成した10週間を含めて通算47週間首位を獲得している。

アメリカ合衆国の州の名前がタイトルに含まれる曲がHot 100で首位を獲得するのは、以下に続く史上7曲目で、カリフォルニア州とジョージア州に続く3州目、テキサス州としては初のNo.1タイトルを獲得した。

レイ・チャールズ 「我が心のジョージア」(1960年11月14日)
ヴィッキー・ローレンス「ジョージアの灯は消えて」(1973年4月7日)
グラディス・ナイト&ザ・ピップス「夜汽車よ!ジョージアへ」(1973年10月27日)
イーグルス「ホテル・カリフォルニア」(1977年5月7日)
2パック「カリフォルニア・ラヴ feat. ケー・シー&ジョジョ」(1996年7月13日)
ケイティ・ペリー「カリフォルニア・ガールズ feat. スヌープ・ドッグ」(2010年6月19日)
ビヨンセ「Texas Hold 'Em」(2024年3月2日)

タイトルに州の直接的なワードは含まれていないが、アメリカに関連するものやアーティスト名に含まれている曲では、以下の曲が首位を獲得している。

チャイルディッシュ・ガンビーノ「ディス・イズ・アメリカ」(2018年)
フロー・ライダー「情熱のホイッスル」(2012年)
ジェイ・Z「エンパイア・ステイト・オブ・マインド feat. アリシア・キーズ」(2009年)
フロー・ライダー「ライト・ラウンド feat. ケシャ」(2009年)
ローンスター「アメイズド」(2000年)
USAフォー・アフリカ「ウィ・アー・ザ・ワールド」(1985年)
オハイオ・プレイヤーズ「愛のローラーコースター」(1976年)
アメリカ「金色の髪の少女」(1975年)
オハイオ・プレイヤーズ「ファイアー」(1975年)
グランド・ファンク「アメリカン・バンド」(1973年)
アメリカ「名前のない馬」(1972年)
ドン・マクリーン「アメリカン・パイ」(1972年)
ゲス・フー「アメリカン・ウーマン」(1970年)

「Texas Hold 'Em」は、ビヨンセを含む4人のソングライターと6人のプロデューサーにより作成された曲で、そのうちの1人であるラファエル・サーディクは、同曲で自身初のNo.1タイトルを獲得した。なお、これまでには自身が所属していたR&Bトリオ=トニー・トニー・トニーの「フィールズ・グッド」(1990年 / 9位)、「イフ・アイ・ハド・ノー・ルート」(1993年 / 7位)、「アニバーサリー」(1993年 / 10位)の3曲、フィーチャリング・アーティストとして参加したアリシア・キーズの「ダイアリー feat. トニー・トニー・トニー」(2004年 / 8位)の計4曲がTOP10入りしている。

ラファエル・サーディクがソングライター、プロデューサーとして参加した曲では、ディアンジェロの「レディ」(1996年 / 10位)、エリカ・バドゥの「ラヴ・オブ・マイ・ライフ(アン・オード・トゥ・ヒップホップ) feat. コモン」(2003年 / 9位)、エド・シーランの「ドント」(2014年 / 9位)、そしてビヨンセの「カフ・イット」(2023年 / 6位)が、これまでTOP10にランクインしたことがある。

「Texas Hold 'Em」は、現地時間2024年2月11日に開催された【第58回 NFLスーパーボウル】の放送中に出演した米携帯電話会社ベライゾンのCMで発表され、同日にスタンダード・バージョン、3日後の2月14日にはインストゥルメンタルとアカペラ・バージョンがリリースされた。2月11日にはもう1つの新曲「16 Carriages」もリリースされていて、2曲が収録されるニュー・アルバムは3月29日に発売が予定されている。

ビヨンセが1位に上昇したことで、ジャック・ハーロウの「ラヴィン・オン・ミー」は今週2位にランクダウンしたが、エアプレイ・チャートでは6週目、R&B/ヒップホップ・ソング・チャートとラップ・ソング・チャートでは、それぞれ14週目の首位を獲得している。

テディ・スウィムズの「ルーズ・コントロール」は先週の5位から3位に上昇し、先週3位に初登場したカニエ・ウェスト(イェー)とタイ・ダラー・サインによる新曲「Carnival」は4位に順位を下げた。「Carnival」が収録されたアルバム『Vultures 1』は、今週のアルバム・チャート“Billboard 200”で2週目の首位を獲得している。

ベンソン・ブーンの「ビューティフル・シングス」は4位から5位にダウンして、シザの「スヌーズ」は7位から6位に上昇。R&Bソング・チャートでは、前曲「キル・ビル」と同率の30週目の首位を獲得し、女性アーティストとしての最長記録を更新した(全アーティストでは48週を記録したザ・ウィークエンドの「ブラインディング・ライツ」がトップ)。

以下、テイラー・スウィフトの「クルーエル・サマー」が6位から7位に順位を下げて、テイト・マクレーの「グリーディー」は9位から8位に上昇。ザック・ブライアンの「アイ・リメンバー・エヴリシング feat. ケイシー・マスグレイヴス」は8位から9位にランクダウンしたが、ロック&オルタナティブ・ソング・チャートとロック・ソング・チャートでそれぞれ26週目の首位を獲得している。10位は、ドージャ・キャットの「アゴラ・ヒルズ」が先週の12位から再びTOP10入りした。

Text: 本家 一成

※関連リンク先の米ビルボード・チャートは3月1日以降掲載予定となります。

◎【Hot 100】トップ10
1位「Texas Hold 'Em」ビヨンセ
2位「ラヴィン・オン・ミー」ジャック・ハーロウ
3位「ルーズ・コントロール」テディ・スウィムズ
4位「Carnival」カニエ・ウェスト&タイ・ダラー・サイン
5位「ビューティフル・シングス」ベンソン・ブーン
6位「スヌーズ」シザ
7位「クルーエル・サマー」テイラー・スウィフト
8位「グリーディー」テイト・マクレー
9位「アイ・リメンバー・エヴリシング」ザック・ブライアン feat. ケイシー・マスグレイヴス
10位「アゴラ・ヒルズ」ドージャ・キャット

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