WTO閣僚会議が開幕、紛争解決制度の改革など議論へ

Emma Farge Rachna Uppal Alexander Cornwell

[アブダビ 26日 ロイター] - 世界貿易機関(WTO)の閣僚会議が26日、アラブ首長国連邦(UAE)の首都アブダビで開幕した。新たな世界貿易ルールの策定を目指すが、オコンジョイウェアラ事務局長や各国代表らは期待を抑える姿勢を示した。

オコンジョイウェアラ氏は会議冒頭の演説で、2022年の前回会議よりも「厳しい」雰囲気だとし、戦争、緊張関係、選挙などに言及。合意は容易ではないとの認識を示した。

気を引き締めて交渉に当たるよう呼びかけたが、各国の貿易紛争を解決する制度の改革については難航する可能性を示唆した。

会議の議長であるUAEのタニ・アル・ゼユーディ対外貿易担当相は「WTOを中核とする多国間貿易システムは重大な岐路に立たされ、多くの課題に直面している」と指摘。WTOが世界の人々にとって重要な成果をもたらす能力を十分に備えていることを示すよう訴えた。

農業など複数の主要議題で鍵を握るとされるインドのゴヤル商工相が初日の会議を欠席し、一部の代表者の間で懸念の声が聞かれた。

会議では漁業への補助金を禁止し、世界の水産資源を守ることにつながる合意が期待されている。

また、この日はコモロと東ティモールの新規加盟が承認された。

会議は29日まで開催される。

© ロイター