F1グランプリ開幕、スタートダッシュを決めるのはレッドブルか、フェラーリか【バーレーンGPプレビュー】

2024年2月29日〜3月2日(現地時間)、F1開幕戦バーレーンGPがバーレーン・インターナショナル・サーキット(サヒール・サーキット)で行われる。決勝は土曜日の開催となる。直前に行われたプレシーズンテストでは、レッドブルが昨年メルセデスがトライして失敗したゼロポッドを採用していることが判明し注目を集めたが、ロングランでも好タイムをマーク。ラップタイムではフェラーリのカルロス・サインツ、シャルル・ルクレールが全体をリードした。さて、開幕戦ではどんな戦いが繰り広げられるのだろうか。

バーレーンは暑さと強風にどう対応するかがポイント

開幕戦バーレーンGPの見どころは、まず各チームのニューマシンのパフォーマンスがどうかという点だろう。開幕前のテストでは、予想どおり、レッドブル、フェラーリ、メルセデスが好タイムをマークしたが、どのチームも手の内をすべて見せているわけではないので、新たなシーズンを迎えて勢力図にどのような変化があるのか、開幕戦の初日のフリー走行にまず注目だ。

F1グランプリ開催のため、2004年に砂漠地帯の中に建設されたバーレーン・インターナショナル・サーキット。

バーレーンGPが行われるバーレーン・インターナショナル・サーキット(正式名称=Bahrain International Circuit)は、F1グランプリ開催のため、砂漠地帯の中に建設されたレーストラック。レース好きのバーレーン王国皇太子の構想で、首都マナマから南に約34km程離れたサヒールに建設された。その地名からサヒール・サーキットとも呼ばれている。

コースは全長5412m、4本のストレートに15のコーナーを組み合わせたストップ&ゴー型のサーキットで、横方向のグリップよりも縦方向のトラクションとブレーキングが重要となる。

砂漠地帯のため雨の心配はまずないが、強い風と周囲の砂漠からやってくる砂塵が大きな問題となる。強い風は空力を追求したF1マシンの挙動を乱し、その強い風に乗って運ばれる砂が路面を汚してタイヤにダメージを与える。

また、昼と夜の寒暖差が大きく、昼間のアスファルトの温度は45度に達する一方で、夕方になると少なくとも15度下がる。暑さはエンジンやタイヤにとって大きな課題で、予選や決勝の開始は日中の陽射しを避けて夕方の時間にスケジュールされる。そのため昼間の走行データはあまり参考にならない。

バーレーン・インターナショナル・サーキットのコース図。全長5.412km、4本のストレートに15のコーナーが組み合わされたストップ&ゴー型レイアウト。高低差が少なくランオフエリアが広く安全性が高いため、激しいバトルが繰り広げられる。

昨年のバーレーンGPではレッドブルが1-2フィニッシュ

昨年2023年もバーレーンGPはシリーズ開幕戦として行われたが、予選でフロントロウを独占したレッドブルの2台が圧倒的な強さでレースを席巻して1-2フィニッシュを飾った。

昨年2023年はレッドブルのマックス・フェルスタッペンがポールポジションから快勝した。

とくにドライバーズ選手権3連覇を狙うマックス・フェルスタッペンは、ポールポジションからスタートで難なく首位を奪うと、そのまま2番手以下をグングンと引き離し、レース後半にはさらに差を広げて57周をトップのまま走り切った。

チームメイトのセルジオ・ペレスは、スタートでフェラーリのシャルル・ルクレールの先攻を許したものの、ソフトタイヤを履いた第2スティントで逆転。こちらもそのまま危なげなく2位でフィニッシュした。3位にテストから注目を集めていたアストンマーティンのフェルナンド・アロンソが入った。

昨年2023年のバーレーンGPのタイヤ戦略。ソフトとハードを使った2ストップが主流で、ミディアムを使用したのはマクラーレンのノリスだけだった。

【参考】2023年F1第1戦バーレーンGP決勝 結果

1位 1 M.フェルスタッペン(レッドブル)57周
2位 11 S.ペレス(レッドブル) +11.987s
3位 14 F.アロンソ(アストンマーティン・メルセデス)+38.637s
4位 55 C.サインツ(フェラーリ) +48.052s
5位 44 L.ハミルトン(メルセデス) +50.977s
6位 18 L.ストロール(アストンマーティン・メルセデス) +54.502s
7位 63 G.ラッセル(メルセデス) +55.873s
8位 77 V.ボッタス(アルファロメオ・フェラーリ)+72.647s
9位 10 P.ガスリー (アルピーヌ・ルノー)+73.753s
10位 23 A.アルボン(ウイリアムズ・メルセデス)+89.774s
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11位 22 角田裕毅(アルファタウリ・レッドブル)+90.870s
14位 21 N.デフリース(アルファタウリ・レッドブル)+1周
ファステストラップ:24 周冠宇(アルファロメオ・フェラーリ)1:33.996

チームのさまざまな戦略次第でレースは予測不能なものになる

開幕直前にこのサーキットで行われたプレシーズンテストでは2日目にカルロス・サインツ(フェラーリ) がトップタイムをマーク。最終日3日目にはシャルル・ルクレール(フェラーリ)、ジョージ・ラッセル(メルセデス)がロングランをこなしながら、これに続いた。ポールポジション争いは、レッドブル、メルセデス、フェラーリの3強に注目が集まるが、決勝レースも見据えた戦いはどうなるのだろうか。

バーレーンGP開幕直前にピレリが公開したデータ。

タイヤを供給するピレリは「今週末のバーレーンGPで長いシーズンが始まります。バーレーンGPでは変則的に木曜日にフリー走行が2回、金曜日にフリー走行と予選が行われ、土曜日に決勝レースが行われます。このスケジュールは次の週末のサウジアラビアGPでも同様です。バーレーンGPでは気温と風が重要なポイントになります。タイヤにとっては、熱による劣化が大きく、砂まじりのアスファルトで摩耗しやすいため、トラクションとブレーキングの安定性がパフォーマンスの鍵となります。タイヤの劣化と、その結果として生じるチームのさまざまな戦略が、レースを予測不能なおもしろいものとするでしょう」と分析している。

2024年バーレーンGPは、2月29日14時30分(日本時間20時30分)からのフリー走行1回目で開幕、予選は3月1日19時(日本時間25時)、決勝は3月2日18時(日本時間24時)に開始される。

2024年F1開幕戦バーレーンGP タイムスケジュール

フリー走行1回目:2月29日木曜日14時30分〜15時30分(日本時間20時30分〜21時30分)
フリー走行2回目:2月29日木曜日18時〜19時(日本時間24時〜25時)
フリー走行3回目:3月1日金曜日15時30分〜16時30分(日本時間21時30分〜22時30分)
予選:3月1日金曜日19時〜20時(日本時間25時〜26時)
決勝(57周):3月2日土曜日18時〜(日本時間24時〜)

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