ミニマル・アートを代表する彫刻家カール・アンドレの国内美術館初の個展 大型彫刻のほか詩の作品の展示も

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千葉県佐倉市のDIC川村記念美術館では、2024年3月9日(土)より、『カール・アンドレ 彫刻と詩、その間』が開催される。今年1月24日、88歳で亡くなったカール・アンドレ(1935-2024)の、日本の美術館として初めて行われる個展である。

カール・アンドレは、1960年代後半、アメリカを中心に起った「ミニマル・アート」の代表的な彫刻家。マサチューセッツ州の工業都市、クインシーに生まれ、アンドーバーの名門フィリップス・アカデミーで学んだ彼は、1957年、ニューヨークに居を移し、翌年よりフランク・ステラとスタジオを共有して、コンスタンティン・ブランクーシに影響を受けた彫刻を作成し始めた。1966年に137個のレンガを直列に並べた《レヴァー》を発表して以降は、木材、金属、石などの素材を工業製品のような同一規格に加工し、床置きするスタイルを確立。そこに置かれることで周りの空間に作用するそれらの作品を、作家自身「場としての彫刻」と表現した。

カール・アンドレ夫妻と所属ギャラリーの全面的な協力を得て実現する同展では、日本では紹介されることが稀な「小さな彫刻」8点とともに、代表的な床置きの大型彫刻13点を紹介。なかでも人の背丈を超えるL字の金属板が並び、壁との間にできた空間を人が通ることのできる横幅約15mの巨大な作品《上昇》は注目だ。

さらに知る人ぞ知るカール・アンドレの詩の仕事も紹介する。詩を共通の趣味とする両親のもとに育った彼は、キャリアの初期から詩を制作していた。タイプライターで断片的な単語を打ち込んで構成されるカール・アンドレの詩は、読んでも眺めても楽しめる。

会期中は、若き日にカール・アンドレがスタジオを共有したフランク・ステラのコレクション展示他、ギャラリートークやパフォーマンス、ワークショップなど、イベントも多数。詳細や申し込み方法は、美術館ホームページで確認を。

<開催概要>
『カール・アンドレ 彫刻と詩、その間』

会期:2024年3月9日(土)~6月30日(日)
会場:DIC川村記念美術館
時間:9:30~17:00(入館は16:30まで)
休館日:月曜(4月29日、5月6日は開館)、4月30日(火)、5月7日(火)
料金:一般1,800円。65歳以上・大学1600円
公式サイト:
https://kawamura-museum.dic.co.jp/art/exhibition-past/2024/carlandre/

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