怪奇作家シャーリイ・ジャクスンの伝記を現代的に解釈 「Shirley シャーリイ」公開決定

怪奇作家シャーリイ・ジャクスンの伝記の初映画化作「Shirley シャーリイ」が、2024年夏に劇場公開されることが決まった。

「Shirley シャーリイ」は、スティーブン・キングも影響も受けたと言われる怪奇作家シャーリイ・ジャクスンの伝記に、現代的で斬新な解釈を加えて練り上げられた作品。1948年、短編がセンセーションを巻き起こし、新しい長編小説に取り組んでいたシャーリイだったが、なかなか筆が進まない。小説の題材は、ベニントン大学に通う18歳の少女・ポーラの失踪事件だった。ある夫妻が居候として同居することになり、次第に執筆のインスピレーションを得るシャーリイ。一方、居候夫妻のローズは、シャーリイの魔女的なカリスマ性に魅入られ、いつしか二人の間には奇妙な絆が芽生えていく。

シャーリイ・ジャクスンは、25年という比較的短い執筆期間で、6つの長編、100を超える短編、家族の日常を描いた2冊のエッセイ、4作の児童書を残した作家。1959年、超自然的なホラー小説「丘の上の屋敷」を出版。ロバート・ワイズ監督による「たたり」など、多くの長編は映画化された。1959年に出版された超自然的なホラー小説「丘の上の屋敷」は、スティーブン・キング「シャイニング」に影響を与えたと言われる。

シャーリーの小説だけでなく、配偶者で文芸評論家でもあったスタンリーとの数百通の手紙をもとに制作された本作。監督は「空はどこにでも」などのジョセフィン・デッカーで、彼女の初長編作にほれ込んだというマーティン・スコセッシが製作総指揮を務めている。「透明人間」「ハンドメイズ・テイル/侍女の物語」などのエリザベス・モスがシャーリイを演じ、マイケル・スタールバーグ、オデッサ・ヤング、ローガン・ラーマンらが出演している。

デッカー監督は、シャーリイ・ジャクスンについて「ある批評家か伝記作家が<シャーリイは政治的な作家ではない>と指摘していたが、しかしシャーリイは私的なレベルにとどまりつつ政治を意識していたと思っている」「だからこそ彼女の作品は今でも響き続けるのだ。彼女の作品は非常に人間的だから時代を超えて読まれている。シャーリイは非日常的な設定、心理描写、あるいは潜在意識に訴える巧みなリズムを使って人種差別、階級差別、性差別と闘っていたのだ」と、魅力についてコメントしている。

【作品情報】
Shirley シャーリイ
2024年夏 TOHOシネマズ シャンテほか全国ロードショー
配給:サンリスフィルム
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