来週にもガザ停戦を期待=バイデン米大統領

アメリカのジョー・バイデン大統領は26日、「次の月曜」(3月4日)までにイスラエルとイスラム組織ハマスとの間に停戦が実現することを期待していると、記者団に述べた。他方、パレスチナ自治政府の首相は26日、内閣総辞職の意向を明らかにした。

ニューヨーク市を訪れているバイデン大統領は記者団からの質問に対し、「うちの安全保障問題担当の補佐官が、(停戦合意に)かなり近いと言っている」と答えた。

バイデン氏はさらに、「近い。まだ(合意は)できていない。次の月曜までには停戦が実現していると、期待している」と述べた。

パレスチナ自治区ガザ地区で昨年10月から続く戦争については、イスラエルとハマスの交渉を仲介するカタールで、一定の成果が得られたとの情報が相次いでいた。

バイデン氏の発言に先立ち、米国務省のマシュー・ミラー報道官は26日、「エジプト、イスラエル、アメリカ、カタールの間で続けている協議において、進展があった」と記者会見で述べていた。協議では、ハマスが人質にしているイスラエル人の解放について交渉が行われている。進展内容や、ハマスがそれを受け入れるのかどうかは不明。

ハマスは昨年10月7日のイスラエル奇襲で、約1200人を殺害し、253人を人質にした。人質の一部は、解放されている。

ハマスが運営するガザの保健省によると、これに対するイスラエルの攻撃で26日までに、少なくとも2万9782人がガザ地区内で殺された。25日の1日だけで、90人が殺されたという。

バイデン政権は20日、パレスチナ自治区ガザ地区での即時停戦を求める国連安全保障理事会の決議案に拒否権を行使し、広く批判された。

アメリカは安保理に対して独自の決議案を提出し、人質全員の解放を条件に「実行可能な限り速やかな」一時停戦を求めると主張した。アメリカはこの決議案で、ガザ南端の都市ラファに侵攻しないようイスラエルに警告した。

ガザ地区内から多数の避難住民が押し寄せているラファに対して、イスラエルは地上侵攻を警告しているが、これを抑制するよう求める国際社会からの圧力が高まっている。

パレスチナ自治政府首相が辞意

ガザ地区に関するこの動きとは別に、パレスチナ自治区ヨルダン川西岸地区の一部を統治するパレスチナ自治政府のモハメド・シュタイエ首相が26日、辞意を表明し、内閣は総辞職した。

エコノミストのシュタイエ首相は、「ガザ地区で出現している現実」に対応した新しい「行政や政治の取り決め」が必要だと、辞任の理由を伝えた。

自治政府のマフムード・アッバス議長は、首相の辞表を受理。次の内閣が決まるまで、首相はじめ閣僚には、現職にとどまるよう要請した。

アッバス議長は、イスラエルとハマスの戦争終結後にガザ統治を担えるよう、自治政府の改革をアメリカに強く求められている。

シュタイエ首相の辞任を受け、専門性の高い技術官僚を中心に新内閣が自治政府に作られる可能性もある。

イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相が22日に提示した、戦闘終結後の計画は、ガザ地区の治安管理はイスラエルが中心となって担うとする内容で、自治政府を排除しないものの、自治政府の役割について特に記述はなかった。

(英語記事 Israel Gaza: Biden hopes for ceasefire by next week

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