投球の幅広がる中日・根尾に大ブレークの期待 ピンチ連続でも崩れず「今年は覚醒」?

中日・根尾昂が先発ローテーション入りに向け、猛アピールしている。

2024年2月24日の楽天戦(北谷)で4回5安打1失点。初回に大阪桐蔭の先輩の浅村栄斗に先制適時打を浴びたが、2回以降は追加点を許さない。ピンチの連続だったが崩れなかったのは成長の証だ。17日の練習試合・DeNAで3回を完全投球の好投を見せており、春季キャンプの対外試合は7回投げて1失点。スポーツ紙デスクはこう語る。

「コーナーに投げ分けて球を動かしているので、打者がなかなか芯で捉えられない」

「直球は140キロ台前半と速い部類ではないですが、コーナーに投げ分けて球を動かしているので、打者がなかなか芯で捉えられない。フォーク、スライダーに加えて、今中慎二臨時コーチからカーブを教わったことで緩急のアクセントになり、投球の幅が広がっている。この状態をキープすれば開幕の先発6枠に入る可能性は十分にある。マウンド上でも落ち着いていますし、覚醒の予感があります」

22年のシーズン途中に野手から異例の投手転向を決断したが、23年はフォームのバランスを崩して制球難に。だが、シーズン終盤に1軍昇格すると2試合の先発登板で防御率0.71の好投。12回2/3で4三振という数字が表すように、ゴロやフライで打たせて取る技巧派にモデルチェンジした。

同世代は明暗が分かれている。根尾と同じ1位指名で入団した藤原恭大(ロッテ)、吉田輝星(オリックス)が伸び悩む一方、6位指名の戸郷翔征(巨人)が球界を代表する投手となり、4位で入団した万波中世(日本ハム)は昨季25本塁打とブレークした。根尾も殻を破れるか。プロ6年目の今年は野球人生の分岐点になりそうだ。(中町顕吾)

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