国内外の学生が国際リニアコライダー(ILC)などの素粒子物理学実験のための理論を学ぶ「岩手コライダースクール」は26日、岩手県八幡平市安比高原のホテルで6日間の日程で始まった。講義を通じ、次代を担う研究者を育成する。
岩手大や東大のほか、インド、中国などの大学院生ら計30人が参加。高エネルギー加速器研究機構(KEK、茨城県つくば市)のダニエル・ジーンズ准教授が、ILCでヒッグス粒子を研究する重要性やILC計画の概要を説明した。
学生が素粒子物理学に関する研究成果を発表するポスターセッションも行い、互いに耳を傾けて交流を深めた。スクールは欧州や日本で活躍する研究者計10人が講師を務める。
岩手大大学院修士課程2年の古里寛之さん(24)は「岩手にいながら海外の学生や優秀な研究者と話せるまたとない機会。さまざまな考え方や他国の文化を学びたい」と語った。
スクールは本年度で3年目。岩手大とKEKが共同で開催し、県立大や県ILC推進協議会が協力した。