世界自然遺産の島・奄美の希少動物を捕食するノネコ 過去最多151匹を捕獲 2023年度2月末時点 環境省「新しいわなや探索犬導入考える」

ネズミを狙うノネコ=1月21日、奄美大島(環境省提供)

 環境省は26日、奄美大島にすむ野生化した猫(ノネコ)の捕獲が2023年度は2月末時点で151匹だったと明らかにした。前年度を既に50匹上回り、3月末を前に過去最多になった。18年7月の開始以来の合計数は571匹となった。

 捕獲が増えたのは作業エリア拡大が主な要因。22年度より奄美市名瀬西部(知名瀬)と名瀬市街地周辺の73.9平方キロメートルを範囲に加え、島の約7割に当たる498.8平方キロメートルでわな設置やモニタリング調査をした。24年度は龍郷町や奄美市名瀬崎原方面の約90.1平方キロメートルを加え、25年度には島全体で展開する予定。

 一方、島西部ではわなに敏感で捕獲が難しい母猫による繁殖が続き、個体数が減少しないエリアもある。同省は「同じ方法ではなかなか減らない。例えば、新しいわなの開発や探索犬の導入など次のステップを考えていきたい」とした。

 ノネコは奄美大島の山中に600~1200匹生息していると推定され、国の特別天然記念物アマミノクロウサギなどの希少動物を補食する。

奄美大島と徳之島にのみ生息する国の特別天然記念物アマミノクロウサギ

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