高橋茉莉氏の発信は「事実と異なる」 公認内定取り消しめぐり玉木代表主張

国民民主党の玉木雄一郎代表が2024年2月27日午前、衆院東京15区の補選(4月16日告示、28日投開票)に擁立を発表していたタレントの高橋茉莉氏の公認内定を取り消したことについて、会見で経緯を説明した。

高橋氏はXで「ラウンジ等での勤務」を理由に公認内定を取り消されたと主張したが、玉木氏はこの点を「事実と異なる」とした。ただ、取り消しの理由になった「法令違反に該当する行為」に関する具体的な説明は引き続き避けた。

「今後、場合によっては、行政上、刑事上の責任を問われる可能性も否定できない」

高橋氏の擁立は24年2月8日に発表されたが、25日未明、党から「立候補を断念しろ」と言われたとXで発信。理由は「ラウンジで働いていた過去があるからです」とした。

党が高橋氏の公認内定を取り消したことを発表したのは、翌26日。玉木氏はこれを受け、Xを更新し、公認取り消しの理由を「東京都連が聞き取り調査を行ったところ、本人が発言した過去の行為の中に、我が党として看過できない法令違反に該当する行為があった」と説明した。

高橋さんの主張を念頭に「ラウンジ等で働いていたことが理由ではありません」と否定した上で、具体的な問題については「法令違反の可能性のある具体的行為については、本人がすでに私人となっていること、また、今後、場合によっては、行政上、刑事上の責任を問われる可能性も否定できないことから、我が党から本人に不利になる可能性のあるコメントは差し控えるべきと判断しました」としていた。

高橋氏は一連の経緯をめぐり、自身のXで「生活保護を受給しながら、ラウンジ勤務をしていたら(原文ママ)というのは、事実と異なります」などとSNSで広がっている指摘に反論していた。27日13時現在、アカウントは削除されている。

27日午前の定例会見では玉木代表が、弁護士との相談の上で「党として看過できない、法令違反に該当する可能性のある行為があった」などと改めて説明。法令違反についての「具体的な内容については差し控える」とした。

「働いていた事実は公認の時点でも把握していた」

「本人に責任を着せたまま、政党の責任をあやふやにしてるような印象がある」という記者の指摘には、「彼女の権利に配慮してこういう対応をしています」。「具体的に『法令違反の可能性がある』というところまで踏み込んで発表していることは、最大限発表していると思う」と説明した。

一方、高橋さんがSNSで、過去のラウンジでの勤務を理由に立候補断念を迫られたと発信していたことについて「高橋さんの発信が事実と異なっていたということなのか」と問われると、「はい、事実と異なります」と明言した。

「我が党は、何かの職業をしていたということをもって、公認候補にするとかしないとか、そういう判断はしない」とし、「働いていた事実は公認の時点でも把握していた。その上で公認しており、実際にそういったことを理由に取り消しを求めるといった事実はない」としている。

高橋氏を会見に出席させ、説明させるべきではないかとした記者には「事実認定に関してはこれは政党としてやるべきものではない」とし、「ギリギリ公表できる範囲で公表して、今説明も申し上げていますし。そのことを理由に公認を取り消したということだ」などと繰り返した。

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