フィアットが次期パンダ/ティーポの試作モデルを公開、7月の 125 周年記念式典で正式発表か!?

2024年2月25日(現地時間)、フィアットは本国イタリアでブランドの次のステップとなるコンセプトカーを発表した。次期パンダあるいはティーポを示唆するコンパクトカーで、新しいプラットフォームをベースに「シティカー」「ピックアップ」「ファストバック」「SUV」「キャンパー」を開発してファミリーを形成してグローバルに展開するとともに、地域ののニーズに合わせたローカルなモデルも製造できるとしている。その最初のモデルは7月11日、ブランド 125 周年記念式典中に発表され、その後、それに続いて毎年ニューモデルを発表していくという。

さまざまなニーズに対応する新しいコンパクトカーのコンセプト

今回の発表にあたっては、フィアットのオリヴィエ・フランソワ CEO 自らがイタリア・ジネーブラからビデオで登場。

「フィアットは昨年130万台の車が販売され、世界の多くの地域で確固たるリーダーシップを発揮する世界的なブランドです。 今回発表するコンセプトカーは、新しいプラットフォームをベースにさまざまな車種を展開し、世界中のすべての顧客に利益をもたらすグローバルな製品です。いまはまだコンセプトカーですが、最初の車は4カ月後のブランド 125 周年記念式典中に発表される予定なので、その登場はもうすぐです」と紹介する。

この新しいコンパクトカーのファミリーは同じ哲学の下で開発されているという。つまり楽しさなしに機能性は存在しないということ、そして、世界中同じテクノロジー、グローバルプラットフォームを共有する。

新しいモデルは世界のどの地域でも生産でき、 独自のマルチエネルギー プラットフォームにより、あらゆるタイプのパワートレーン (電気モーター、ハイブリッド、ガソリン、ディーゼル) を搭載できるのも大きなポイントとなる。

フィアットは「価格は低いほうがいい」というアプローチで、より持続可能で手頃な価格の車を生産するという課題に取り組んでおり、余分な部品を取り除き、クロム、合金、革、シートのフォームなどの汚染物質を削減しているのも特徴。最大 80% の部品を共通に使用することで、より効率的な製造を実現し、手頃な価格や独自性などを実現するという。

それぞれに個性際立つコンセプトカーたち①

今回は5台のコンセプトカーが発表されたが、これはまだ試作段階のもの。7月にどんな形で姿を現すのか、楽しみに待ちたい。

【シティカー】

ファミリーの基本となるのが「シティカー」。ボディサイズは 現行のパンダよりも大きいが、 高いドライビングポジションとスクエアなデザインにより、とくに混雑した都市環境でユーザーの味方となる。そのデザインは、ブランド発祥の地であるトリノの象徴的なリンゴットビル(な屋上テストトラックがあることでも有名)からもインスピレーションを得たもので、構造的な軽さ、スペースの最適化、明るさなどが表現されている

新しいコンパクトカーファミリーの基本となる「シティカー」(メインカットも)。リンゴットビルの屋上テストトラックのオーバルのモチーフは、ダッシュボードやディスプレイ、シートにも使われている。

【ピックアップ】

フィアットは南米市場でも人気が高く、とくにストラーダ ピックアップはブラジル市場で最も売れている。 フィアットは今後、このタイプの車両がヨーロッパを含む世界レベルで人気が高まると読んでおり、機能性の中に楽しさを取り入れ、自由時間を楽しむという新しい価値を提案する。 この車両は、ピックアップのコンセプトとSUVの快適性を、世界中の都市環境に適したサイズで融合させている。

コンパクトなピックアップのコンセプト。日本でも軽トラが注目されているが、世界各国でこうしたモデルの人気が高まっているという。

【ファストバック】

「フィアット ティーポ」と南米で人気の「フィアット ファストバック」の後継となるであろうモデル。 ヨーロッパでも、南米、中東、アフリカでも、同じモジュール式プラットフォーム上で作られる。スポーティな雰囲気が特徴で、ダイナミックなシルエットは優れた空力性能をもたらす。

スポーティなファストバックスタイルのコンセプト。モジュール式構造で開発されるからこそ実現できる。

それぞれに個性際立つコンセプトカーたち②

【SUV】

革新的で持続可能なモビリティの先駆者として開発されたファミリー SUV。家族の移動手段のニーズに重点を置いて開発されたという。 アクセスしやすいインテリアが特徴で、デザインの面でユーザーの心をつかみ、広さと快適性、多用途性を提供する。

人気のコンパクトSUVをイメージしたコンセプト。持続可能なモビリティのベースとしても注目される。

【キャンパー】

最後に紹介するのは、アウトドアライフを意識したモデル。80年代のパンダの「機能性」をテーマに、SUVの機能性と信頼性を備えた都市向け車両で、ルーフ上のキャリアはリンゴットビルの屋上テストトラック「La Pista 500」をイメージしてデザインされている。

「次世代のパンダ4×4」をイメージさせるコンセプト。

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