中国の科学者に特別功労賞 国際血液骨髄移植研究センター

中国の科学者に特別功労賞 国際血液骨髄移植研究センター

23日、国際血液骨髄移植研究センターの特別功労賞を受賞し、スピーチする黄暁軍教授(左)。(サンアントニオ=新華社記者/徐剣梅)

 【新華社サンアントニオ2月27日】国際血液骨髄移植研究センター(CIBMTR)は23日、米テキサス州サンアントニオで開催された2024Tandem Meetings(米国移植細胞治療学会・ASTCT)およびCIBMTR合同会議で、中国工程院の院士(アカデミー会員)で、北京大学血液病研究所所長の黄暁軍(こう・ぎょうぐん)教授に特別功労賞を授与した。HLA半合致骨髄移植における「北京プロトコル」の作成によって、国際的な血液研究に多大な貢献を果たしたことが認められた。

 授賞式でCIBMTR諮問委員会のマイケル・バーネリス議長は、黄教授は体外でのT細胞除去を行わないHLA半合致骨髄移植のための一連の鍵となる技術を開発し、顆粒(かりゅう)球コロニー形成刺激因子(G-CSF)と抗胸腺細胞グロブリン(ATG)に基づく「北京プロトコル」へ徐々に発展させたと述べた。この革新的な治療法により移植を受けた白血病患者の3年生存率は20%から70%に向上。「北京プロトコル」に基づく同技術は現在、韓国、イタリア、フランスなど多くの国に広がり、世界で最も広く使用され、最も優れた半数体遺伝子型の造血幹細胞移植システムとなっているという。

 バーネリス氏は、黄教授は造血幹細胞移植の一般的なコア技術を最適化・標準化し、白血病再発予防・救済の新たなプロトコルも開発したと述べ、ガイドラインの作成や共通技術の普及をすることで、中国において造血幹細胞移植を急速に発展させたとも紹介した。さらに、黄教授は国際的な人材養成センターと教育モデル拠点を設立し、多くの国の移植専門医を育て、国際血液学会の交流と協力を強化していると述べた。

 国際血液骨髄移植研究センターはこの分野における世界的なデータ収集と専門家の協力を推進し、細胞療法の研究を促進することを目的として、1972年に設立された。現在、世界の約350カ所の血液移植センターと協力しており、2010年から毎年、特別功労賞を授与し、国際的な血液病研究に顕著な貢献をした科学者を表彰している。

 2024Tandem MeetingsおよびCIBMTR合同会議は21~24日の日程で開催された。

© 新華社