遭難相次ぐ…戸隠連峰P1とは 「難易度は槍ケ岳・穂高岳と同レベル」【長野】

長野市の戸隠連峰で発生した山岳遭難についてですが、3日以上経った今もこの雪の影響で捜索が出来ていません。男性2人が相次いで滑落したのは「P1(ピーワン)尾根」と呼ばれる難所です。

警察によりますと、24日の午前7時ごろ神奈川県横浜市の41歳の男性が下山中におよそ20m滑落。その後、午前10時半ごろには、栃木県の58歳の男性が滑落しました。現場となったのは戸隠連峰西岳(にしだけ)の「P1(ピーワン)尾根」。
経験者でも難易度の高い場所です。

■戸隠地区山岳遭難防止対策協会・清水正道 前救助隊長
「難易度は日本でも、槍ケ岳、穂高岳と同じくらいの厳しさになる。冬は特にベテランというか経験者じゃないと無理な所。垂直の面を登っていくのが8割くらいある。夏だってミスしたら落ちたら終わりですよ。下も岩場ですから、平らなところは無いので。」

警察によりますと滑落した男性のうち1人は社会人の山岳会に所属していました。それなりに経験があったと推測されます。

■戸隠地区山岳遭難防止対策協会・清水正道 前救助隊長
「前の日に雨降りましたからね、なんせね、それが急激な温度変化で状況が変わりましたから、スリップしやすい状況だったと思いますけど」

2人とはいまだに連絡がとれていません。県警はこれまでに3回ヘリで救助に向かいましたが視界の悪さや風の強さから捜索を断念。
あす28日、天候次第でヘリを飛ばすということです。これから暖かくなると、春山のシーズンに入っていきます。
県警の山岳安全対策課は、一日の寒暖差が大きくアイスバーンになりやすいため、特に下山中は滑落に十分気を付けること、また、もし救助となると到着までに時間がかかるため、寒さをしのぐための道具や食べ物を必ず持って行くことなどを呼び掛けています。

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