復旧・耐震工事へ寄付を 郡山市の安積歴史博物館 福島県沖地震で被災 総工費6億円

寄付を呼びかける(左から)橋本さん、安孫子さん、笠間さん

 2021(令和3)年2月と翌年3月の福島県沖地震で被災した郡山市の安積歴史博物館(旧県尋常中学校本館)の復旧・耐震工事に向け、同館を運営している公益財団法人安積歴史博物館は寄付を呼びかけている。

 施設は安積高の敷地内にある。県尋常中学校本館として1889(明治22)年に完成。戦後は安積高の校舎として活用された。明治期の代表的な洋風建築との評価を受け、1977(昭和52)年に国重要文化財の指定を受けた。

 地震で被災した上、文化庁から抜本的な耐震補強を求められ、2026年度末まで休館して保存修理と耐震補強の工事を行うことになった。ただ、文化財補修の特殊性や資材高騰の影響のため現時点で総工費約6億円が必要。文化庁、県、郡山市からの補助金を受けても、少なくとも6千万円を地元で用意しなければならないという。法人は文化財を後世に残すため、安積高の卒業生や市民以外に、県内全域から幅広く寄付を募っていきたい考えだ。

 法人の安孫子健一代表理事は福島民報社郡山本社を訪れ、「貴重な文化財であり、工事終了後にはコンサートなど県民のさまざまな活動や、映画・テレビドラマの撮影にこれまで以上に活用できる。存在価値はますます高まると確信している」として理解と寄付への協力を呼びかけた。笠間善裕安積桑野会長、橋本文典館長が同行した。

 寄付の方法など詳しくは同法人のホームページ https://anrekihaku.or.jp/

(ワイド)

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