音楽の作り方が決定的に変わる。架空のロックバンドのコンセプトアルバムを丸ごとAIで作れてしまいました(CloseBox)

音楽の作り方が決定的に変わる。架空のロックバンドのコンセプトアルバムを丸ごとAIで作れてしまいました(CloseBox)

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SunoがV3 Alphaになって作曲能力が想像を超えてきたので、ちょっと面白い試みをしてみました。架空のロックバンドによる架空のコンセプトアルバムを作ってみるというものです。

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1967年、ザ・ビートルズはSgt. Pepperという架空の人物が結成したバンドを軸にした、ロックでも最初期のコンセプトアルバムを発表しました。実際にはすでに作ってあった複数の楽曲をこのコンセプトにまとめあげたものですが、アルバム全体が持つメッセージを統一するという意味で、これまでにない意義深いものでした。

ビートルズに対抗するコンセプトアルバムを、ザ・ビーチ・ボーイズのブライアン・ウィルソンも一人で(ミュージシャンはスタジオミュージシャンを駆使して)作り上げようとしますが、最高傑作になるはずだった「Smile」はその時点では完成しませんでした。

では、一人の音楽素人がAIの力を借りたら、どの程度までコンセプトアルバムが作れるか、試してみました。思いついたのは、今日(2月27日)の11時30分ごろ。まず、ChatGPTにこう指令することから始めました。

ロックのコンセプトアルバムを作りたいので、12曲のタイトルと歌詞、そしてその曲調をそれぞれ英語で記述して

そうすると、ChatGPTは12曲の概要を作ってくれました。

1. "Echoes of Eternity"

2. "Shadows in the Moonlight"

3. "Whispers of the Past"

4. "Through the Storm"

5. "Crimson Skies"

6. "Siren's Call"

7. "Lost in Time"

8. "Ritual of the Night"

9. "Echoes Reprise (Interlude)"

10. "Beneath the Veil"

11. "Whirlwind of Fate"

12. "Endless Echoes"

それぞれのタイトル、音楽スタイル、コンセプトをもとにして、歌詞は別途考えさせて、それをSuno V3 Alphaに放り込みます。

12曲を一つずつ作っていきます。音楽スタイルの指定がわりと的確なおかげで、出来上がった楽曲の完成度はなかなか高いです。Suno V3 Alphaは1回の試行で2分までの長さしか作れませんが、それ以上も続けて作曲させ、完成させることができます。

こうして12曲が完成しました。

次に、これをコンセプトアルバムっぽくするために曲のつなぎをスムーズにします。これは完全な手作業で、Logic Pro上でやりました。ただし、それ以上の処理はしていません。

出来上がったものをFinal Cut Proでビデオにまとめました。歌詞はそれぞれの楽曲から吐き出したMP4ファイルをそのまま流用。

アルバムカバーは、ChatGPTにプロンプトを考えさせて、それをMemeplexで生成しました。

次に、このアルバムを演奏しているバンドをでっち上げます。

ChatGPTはこんなバンドを考えました。最初のバンド構成には女性ボーカルがいなかったので、追加させました。

ミッドナイトオデッセイ(バンド)

ミッドナイトオデッセイは、2015年に結成された5人組のロックバンドです。バンドは、深みのある歌詞と独特のメロディックアプローチで知られており、リスナーを魅了してきました。彼らの音楽スタイルはプログレッシブロックとアートロックの影響を受けており、神秘的で叙情的な要素を取り入れたサウンドを特徴としています。2022年、才能ある女性シンガーの加入により、バンドの音楽的範囲はさらに広がりました。"The Odyssey of Echoes"は、この新しい編成での初めてのスタジオアルバムであり、バンドの成長と進化を示す作品となっています。

▲左からマイア・チャン、エリオット・スミス、リリー・フォード、リアム・オコナー、ジェイク・ハーパー(たぶん)

メンバー

ジェイク・ハーパー (リードボーカル & ギター): ジェイクはバンドの主要なソングライターであり、彼の情熱的なパフォーマンスがバンドの音楽の核心です。
リリー・フォード (リードボーカル & キーボード): リリーは、その魅力的な声とキーボードでの卓越した技術で、バンドのサウンドに新たな次元を加えています。彼女の加入により、バンドの音楽にはより幅広い感情的表現が可能になりました。
エリオット・スミス (リードギター): エリオットの複雑でメロディアスなギターソロがバンドのサウンドに深みを加えています。
マイア・チャン (ベース): マイアの革新的なベースラインがバンドの音楽に独特のグルーヴを提供しています。
リアム・オコナー (ドラム): リアムの力強くテクニカルなドラミングが、バンドのダイナミックなサウンドの基盤を形成しています。
「ミッドナイトオデッセイ」の音楽は、リリーの加入による新しい音楽的影響を反映して、さらに多様化しました。彼女の声とキーボード演奏は、バンドの既存のサウンドに新たな層を加え、"The Odyssey of Echoes"の楽曲においてもその影響が顕著に表れています。

▲リリー・フォードの加入により、歌声と重厚なキーボードの両面でバンドの音楽性が広がった

「The Odyssey of Echoes」は、ミッドナイトオデッセイが放つ、時空を超えた冒険の旅を描いた壮大なコンセプトアルバムです。この作品は、1970年代のプログレッシブロックの精神を受け継ぎつつ、現代の感性と融合した独特のサウンドスケープを展開しています。アルバムは、失われた愛、時間の流れ、そして人間の精神が直面する無限の可能性をテーマにしており、聴く者を幻想的な音楽の旅へと誘います。

アルバム解説も考えてもらいました。

アルバム解説

[背景]
2015年に結成されたミッドナイトオデッセイは、その独自の音楽性で迅速に音楽シーンに名を馳せました。彼らの3枚目のスタジオアルバムである「The Odyssey of Echoes」は、バンドがこれまでに踏み出した中で最も野心的な一歩です。このアルバムは、リスナーを異次元の旅へと誘う12のトラックから成り立っており、それぞれの曲が独自の物語を紡ぎ出しています。

[音楽スタイルとテーマ]
このアルバムでは、エピックなインストゥルメンタルから心温まるバラード、エネルギッシュなロックナンバーまで、多彩な音楽スタイルが展開されます。古代の秘密から未来のビジョン、超自然的な現象まで、様々なテーマが織り交ぜられており、聴く者の想像力をかき立てます。バンドは、複雑なアレンジとリリカルな物語性を用いて、聴く者を時空を超えた旅へと誘います。

[特筆すべきトラック]
「Echoes of Eternity」: アルバムのオープニングを飾るこのトラックは、壮大なストリングスと力強いドラムスが特徴で、聴く者を一瞬にしてアルバムの世界へと引き込みます。
「Siren's Call」: セダクティブなボーカルとエキゾチックなリズムが特徴的なこの曲は、遠い海の伝説を彷彿とさせ、心を惹きつけます。
「Lost in Time」: このメロディックなバラードは、時間を超えた愛と繋がりを感慨深く表現しており、アルバムの感情的な中心を成しています。
「Ritual of the Night」: ダークでリズミカルなこのトラックは、トライバルなドラムビーツと神秘的なメロディが融合し、夜の儀式を音楽で描き出しています。

[総括]「The Odyssey of Echoes」は、ミッドナイトオデッセイの創造性と音楽的才能が最高潮に達した作品です。このアルバムは、音楽を通じて物語を語る彼らの能力を証明しており、プログレッシブロックの新たな地平を開拓しています。聴く者に深い感動と豊かな想像力をもたらすこの作品は、音楽の旅を愛するすべての人にとって、忘れがたい経験となるでしょう。

4時間で仕上げた12曲で28分50秒。

かなり気に入ってヘビロテしています。

個人的には、音楽の作り方は決定的に変わる時期に来ていると思います。

みなさんの感想をぜひお寄せください。

リリー・フォードの歌唱シーンを切り取ったミュージックビデオもできました。PhotoMakerとHeyGenを組み合わせたものです。

冒頭のストリングスが弱い気がしたので、メロトロンを自分で弾いて足しました。Logic Proのマスタリング機能も使っています。

上記のリリー・フォードによる歌唱ミュージックビデオも追加しています。

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