『今日好き。卒業編2024 in セブ島』2話ーー「虜になってます」猛アプローチへの返答は?

2月19日よりABEMAにて放送中の恋愛番組『今日、好きになりました。卒業編2024 in セブ島』(以下:今日好き)。現役高校生たちが3泊4日の修学旅行に飛び出し、運命の恋を見つける同番組には、時に甘酸っぱく、思わず胸がキュンとするような青春と恋模様が溢れんばかりに詰まっている。

以下より、2月26日公開の2話から見どころを紐解いていく。細かなネタバレもあるためご注意いただきたい。

・わたる×のあ、“大事故ペア”の雰囲気は「一年記念日の旅行みたい」に?

『卒業編2024 in セブ島』では、初日から早くも“花くじ”を実施。セブ島到着から間もなく、運命の神さまがいたずら心を全開にしている。今回のグループは、全2組。それぞれ、まう(小國舞羽)、ももか(板倉ももか)、ゆうか(赤木優香)、ばお(Bao)、もねる(川尻杜音)、そうた(米山颯太)による“水族館チーム”。きさき(寺島季咲)、そら(中川そら)、えいじ(吉田叡史)、りゅうじん(那須川龍心)、のあ(田仲埜愛)、わたる(伊藤航)の“プール遊びチーム”に別れることとなった。

そうたこそ、愛しのきさきと離れ離れになってしまった一点を除けば、残りのメンバーはまずまず希望通りなのでは。ただ、前回の『卒業編&新年特別編』でもわかる通り、プールといえば、きさき。きさきといえばプールというほど、彼女にとって水場は独壇場。普段以上に笑顔や無邪気さに輝きが増し、えいじの心をぐっと引き寄せる可能性に溢れている。

……とまで書こうとしていたのだが、きさきを2ショットに誘ったのは、まさかのりゅうじん。あまりに予測不能な方向から飛んできたパンチに、えいじも思わず呆然。まったく、こう着状態になりかけていた恋を、面白くかき乱してくれるぜ。この後、えいじは「じゃあ、そらちゃん」と、もうひとりの気になる女子を指名したわけだが、本人にその意図がなかったり、言葉のあやだったりしても、ここでの“じゃあ”はNGだろう。

そんなプール遊びチームのなかで特に印象的だったのが、わたる×のあ。チーム内で3組に分かれて挑戦したカヤックのレース対決にて、ふたりはダントツのビリに。最下位はなにか出し物をする罰ゲームが用意されていたのだが、彼らが披露したのは、まさかの練りに練ったショートコント。一発ギャグなどではなく、しっかりと話の構成があるものだ。

ただ、構成が存在することと、面白さはまったく別軸の話。内容としてはキャッチボールを絡めたものだったが、うん、まぁ……ここから先は書き残すに堪えないため、読者自身で見逃し配信を確認してほしい。ふたりで一緒に大きくスベるのはお互いにとって思い出として強く印象に残ると、スタジオの“恋愛見届け人”を務める井上裕介(NON STYLE)が地味に嫌な太鼓判を押してくれたのが、ここでのすべてである。

実際のところ、大きな痛手を負ったふたりの雰囲気は、スタジオのかすが感じたとおりで「一年記念日の旅行みたい」。まだ出会って間もないながら、わたるが「いま、のあ、の方が強いかも」と心境を語り、のあが「wao」と、WAOではない“小文字”なテンションで声を出してしまうシーンが、ふたりの心の距離が大きく動いた瞬間を描き出していた。

・まう、ばおの不思議オーラにハマり中? 噛み合わないのに見ていたくなるペア

対する“水族館チーム”の方では、ばお×まうがアツい。今回の旅で“なぜだか気になっちゃう枠”を獲得した、ベトナム出身のばお。1話の時点で、少しだけ会話をしたまうから「生きてる?」とツッコミが入り、「なんかもうずっと、虚無ってる」と語られただけに、本来であれば第一印象としては“下の中”といったところ。が、それを自身に対する求心力に意図せず変えてしまうのが、ばおの底知れぬパワーだ。

自身の名前のイントネーションに悩んだり、なぜか妙に間の抜けた関西弁だったり、ここでの2ショットでも、まうから第一印象で気になったと明かされたにも関わらず、「あ、はい……。ほんまですか?」と、妙に反応が鈍かったり。自ら希望した彼女との自撮りなのに、カメラを向けられて“ゼロの顔”になったのもそうだ。本当に掴みどころがない。

相手の考えが読めないことを恋愛面での魅力に受け取るかは人それぞれ。付き合ってからが難しいという意見もあるだろう。とはいえ現状、まうの瞳に、彼の存在がキラキラとして見えているのは、どうやら間違いがない。絶叫アトラクションが苦手で、鶏が苦手なせいで鳥類全般がNGで、バスケが好きだがフリースローは苦手なばお。一方で、水族館組を引き当てながら魚類全般が苦手で、バンジージャンプに挑戦したくて、フリースローも含めてバスケが大好きなまう。まったく噛み合わないのに、たしかにこのふたりの掛け合いをずっと眺めていたくなる。……あれ、もしかしてこれが、ばおの魅力かも?

・「すき」に「手」を加えると、“すてき”になるーーそうたの想いが生んだ新たな名言

各ペアが初2ショットを終えて、新メンバーも徐々に雰囲気に溶け込んできたところで、全員が宿泊先に一旦集合。これからホームパーティを始めるといったところで、食事の買い出し組と、アルバム作り組にグループを再編成。後者の組は宿泊先に残り、前回の旅から継続使用となる“思い出のアルバム作り”に勤しんだわけだが、このタイミングで大きく存在感を示したのが、そうた。ここまで紹介した、ほかメンバーの自己紹介チックな2ショットとは異なり、間違いなく頭ひとつ飛び抜けた結果を残してくれた。

2ショットの相手は、言わずもがなできさき。彼女が鳥好きなことから、前回の旅でも名前の難しい鳥などを調べていたわけだが、今回は自ら初心者向けの図鑑を購入し、可能な限りで頭に知識を叩き込んできたという(図鑑の端々に“折り目”を見つけたきさき。彼が自分のために時間を割いてくれた跡にしみじみとしていた)。そうた本人こそ「好きな人のものを知りたくなっちゃうの。僕の鳥のことをたくさん知って、ちょっとでも楽しくお話しできたらなって」と明るく振る舞っていたが、もし辞書で“努力”や“想いやり”という言葉を引いたならば、具体例としてこの一連のシーンが書かれていてほしいとすら思えてしまった。

そうたの言葉は、まだ続く。「最終日を待たずに告白したいくらいだけど、きさきちゃんは初めての彼氏で、自分的にも、どういう結果でも、絶対に幸せになってほしいから、しっかり考えてほしいなって」。そんな心温まる言葉に、きさきがぽろっとこぼした一言。「きっとそうたくんが魅力がある人っていうか、素敵な人なんだからなって」。

覚えているだろうか。前回の旅での、そうたが最後、きさきに語った言葉を……。「きさきちゃんの魅力の虜になっています」「逆に次は、僕の魅力の虜になってもらえるように」。

きさきが意識的だったかは定かではない。ただ、前述のきさきの言葉は、前回の旅でのそうたのそれへのアンサーなのではないかと信じたくなるほど、言葉選びがぴったりと重なるものだった。大好きな女子から、価値ある一言を初日から引き出したそうた。スタジオの井上から「“すき”に“手”(=て)を加えると、“すてき”になる」という、また新たなビッグ名言が誕生したのも無理ないだろう。もう、明らかに、恋の風向きが変わってきている。

(一条皓太)

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