被災漁船の引き揚げ開始 珠洲・飯田港、航路確保で

被災した漁船の引き揚げ作業で、つり上げられる「力丸」=27日午後、石川県珠洲市

 石川県珠洲市の飯田港で27日、能登半島地震の津波被害で沈没、転覆するなどした漁船の引き揚げ作業が始まった。北陸地方整備局によると、支援物資や復旧工事の資材の搬入、災害廃棄物の搬出に必要な航路の確保が目的。4月中に完了させる方針だ。

 みぞれが降り、作業員のかけ声が飛び交う中、漁船「力丸」がクレーン船でつり上げられると、船主の浜野慶弘さん(66)がじっと見つめた。

 20年以上前に購入し、タラやタイなどの刺し網漁で苦楽を共にしてきた。エンジンに海水がかかり動かなくなっていた。所有する別の船で、3月から漁を再開したいと考えるが、見通しは立っていない。

飯田港で行われた漁船の引き揚げ作業を見守る船主の浜野慶弘さん=27日午後、石川県珠洲市

© 一般社団法人共同通信社