奈良市小学校いじめ問題 奈良市に損害賠償 約250万円を求め提訴

奈良市の小学校で女子児童がいじめを受け、自殺をほのめかしたノートに担任が花丸をつけて返していた問題で、27日、保護者らが奈良市に損害賠償を求め、奈良地裁に提訴しました。

奈良市教育委員会の報告書によりますと、奈良市内の小学校で2021年の2学期から2022年12月までの間、女子児童が同級生に足を蹴られたり、突き飛ばされたりするなどのいじめがありました。2022年6月には、女子児童がノートに自殺をほのめかす内容を書いたにも関わらず、担任が花丸をつけるなどし、奈良市教育委員会は「配慮に欠ける不適切な対応だった」としていました。

この問題で、保護者らは奈良市に対して、損害賠償としておよそ250万円を求め、奈良地裁に提訴しました。訴状によりますと担任が花丸を付けたことに関して、児童の心理に最大限注意を払った慎重な対応が必要だったとしており、違法な対応で女子児童が命を落としていた可能性も十分にあり、精神的苦痛は今もなお継続しているとしています。代理人弁護士は、市は責任の所在を明らかにしようとする働きかけもないと指摘。また、女子児童の保護者は「娘は今もなお、足がすくむなどして通常通り登校することができておりません。抜本的に組織体質を改善してほしい。」と提訴の理由をコメントしています。

なお、奈良市の仲川市長は「訴状が届いていないのでコメントできません」としています。

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