山梨知事への裏金質問封じを否定 県側「規制は到底あり得ない」

 山梨県が長崎幸太郎知事への報道各社の個別インタビュー取材を巡り、自民党派閥の政治資金パーティー裏金事件に関連する質問を扱わないよう求めた問題で、県側は27日、取材活動の規制の意図を否定した。インタビューの時間的制約を踏まえ、県政以外の質問は知事の記者会見で尋ねるよう「調整を提案した」と強調。「規制は到底あり得ない」と反論した。

 県は27日、経緯や理由をただして抗議した山梨県政記者クラブに文書で回答。県広聴広報グループを統括し、知事政策局次長と秘書課長を兼ねる小林徹知事政策補佐官が、県庁でクラブ幹事を務める3社を指名し、内容を直接説明した。

 インタビュー実施に先立ち、県側は質問の事前提出を要求。政治資金の関連質問には「削除しなければ取材に応じられない」などと通告した。要請があったものの、複数社は質問を敢行。要請に応じなかった地元民放1社が取材を拒否された。

 報道各社が加盟するクラブ側は21日「意に沿わない報道に圧力をかけた」などと批判する抗議文を長崎、小林両氏宛てに提出した。

© 一般社団法人共同通信社