なぜ早田ひなは強敵・陳夢を倒せたのか? 勝敗を分けた両者の“決定的な違い”を中国メディアが鋭く指摘!【世界卓球】

去る2月24日、卓球・世界選手権団体戦(韓国・釜山)の女子決勝が行なわれ、日本は中国に2-3で敗戦し、53年ぶりの世界一は逃したものの5大会連続の銀メダルを獲得した。

日本はフルゲームの末に敗れたが、過去最高に世界ランク1位の中国を苦しめたともいえる試合内容だった。そのなかでも強い存在感を放っていたのは、早田ひな(日本生命)だ。第2試合では東京五輪金メダリストの陳夢を相手に、見事な逆転劇を演じてみせた。

そうしたなかで、中国メディア『捜狐』は、「なぜ陳夢が早田に逆転されたのか? それは試合後の早田の行動を見ればすぐに分かる」と題した記事を掲載。早田が見せたスポーツマンシップに注目し、勝敗を分けた両者の決定的な違いについて見解を述べた。

まず、同メディアは試合中の早田について「早田ひなの精神状態は非常に安定しており、試合を思う存分楽しんでいる」と分析。「得点したときに叫んだり、ポイントを奪われても笑顔で自分を励ますなど、早田は完全にゲームに没頭している」と集中力の高さを指摘した。
続いて、同メディアは、早田の試合後の振る舞いにも視線を向ける。「早田は率先して陳夢と握手を交わしたあと、中国のベンチのほうへ走っていき馬琳監督とも握手を交わした。試合を楽しむ精神が勝利を後押しした」とする一方で、「陳夢は優勝を争うプレッシャーからか精彩を欠き、感情の解放が見られなかった」と両者を比較した。

早田は、帰国会見でこれまで0勝7敗だった陳夢に「まさか勝てるとは思っていなかった」と本音を吐露。「今回1勝できたというのは、自分だけの実力だけではない。日本の応援がすべてを後押ししてくれて、中国をビビらせる雰囲気が出ていた。それで点数をとれた部分もあった」と周囲のサポートに対して感謝の言葉を口にした。

構成●THE DIGEST編集部

© 日本スポーツ企画出版社