40年ぶりの日本一へ 決意新たに「ぼくたちなら必ずやれる」 広島カープ “100点満点” の春季キャンプ終了(最終日まとめ)

石田充 アナウンサー
広島カープの選手たちが2月15日から鍛錬を繰り広げた「コザしんきんスタジアム」を望む、8月にオープンしたばかりのホテルの屋上からお伝えします。

27日はくもりということもあって、ちょっと風も強くて、半そででは肌寒いという15℃前後の体感温度なんですけれども、ただ、選手たちは熱い、熱い1軍生き残りをかけたキャンプをこの沖縄で見せてくれました。新井貴浩 監督は「100点」と点数をつけたキャンプになりました。最終日の一日をまとめました。

15日からスタートした1軍の沖縄キャンプ。初日から最終日まで天気の大きな崩れはなく、予定どおりのメニューを消化できました。

41人が参加した新井カープ2年目の1軍キャンプ。実績のある先発陣は、まだオープン戦での登板はありませんが、自らのペースで順調に調整を続けてきました。

3人が帯同したルーキーたち。スロー調整の 常廣羽也斗 は、1軍の雰囲気に慣れる期間となりました。

他球団との試合を経験した 髙太一 と 滝田一希 は、開幕1軍入りへ今後もアピールを続けます。

ブルペンには、“勝利の方程式” でのリレーが見たい2人が入りました。去年、54試合に投げた 矢崎拓也 が19球を投げれば、侍ジャパン選出の 栗林良吏 は23球。自身、4度目のキャンプを締めくくりました。

一方、若手中心のメンバーとなった野手陣。成長を続ける若鯉には、きょうも新井監督が熱視線を送る姿がありました。

また、西川龍馬 の穴を埋める候補がしのぎを削った中、3年目の 田村俊介 は侍ジャパンに選ばれたプレッシャーにも負けず、実戦でも結果を残しました。

秋山翔吾 などの実績組が今後、1軍への合流が見込まれる中、アピールを続けた選手たち―。宮崎・日南から続いた27日間のキャンプを、最後は新選手会長の 堂林翔太 が締めました。

広島カープ 堂林翔太 選手(沖縄キャンプ手締めあいさつ)
「監督・コーチ・選手・球場スタッフ全員が力を合わせて心を合わせて一丸となって1年間、戦っていきましょう。そして、6年ぶりのリーグ優勝、40年ぶりの日本一を勝ち取りましょう。ぼくたちなら必ずやれます。お手を拝借。いょー」

大きなけがで離脱する選手は出ず、2年目の新井監督も「100点」と満点のキャンプが終わりました。

広島カープ 新井貴浩 監督
「日南第1クールは雨が多かったんですけども、それ以降は天気にも恵まれて、いいキャンプを過ごせたなと思います」

― これだけ沖縄の方に若手を連れてきたキャンプは近年にはなかったですけれども、若手に関しては?
「非常にいい競争をしてくれているなと感じますね。沖縄に来て、実戦が多くなったんですけれども、その中でも若い選手がすごくアピールしてくれているので、見ていて、うれしく思います」

― 野手の最大の関心時は、ポスト西川龍馬。この点は?
「いやあ、みんな、いいアピールをしてくれていますね。ですからオープン戦もしっかりと競争してもらおうと思いますし、これはもうシーズン入ってもずっと続くと思いますね」

― 今の段階で一つ頭抜けているという選手は?
「あまりね、個人名は競争中ですので控えさせていただきたいですね。ただ、強いて挙げるんだったら、あんまり見てないですけど、日南でがんばっている 松山竜平 です」

― やはり、そこですか、監督。
「そうですね。あまり見てませんけど」

― 日南のキャンプMVPは松山選手、沖縄では?
「もう、みんな、MVPですね、若い選手、特に。誰というわけではなしにみんな、よくがんばったと思います。でも、これから本格化しますので、開幕に向けてもっともっと高いレベルで競争してもらいたいなと思います」

― カープのみなさんが広島に戻るのを待っているファンの方に。
「ここまで順調にキャンプ来ていますし、若い選手の競争っていうのはファンの方も見ていて楽しいんではないでしょうか? また、オープン戦に入って、ことしは週末でマツダ(スタジアム)の試合ってのがたくさんありますので、ぜひ若い選手ががんばっている姿をマツダに見に来てください」

広島カープ 床田寛樹 投手
「自分のやりたいこともやれましたし、すごくいい時間が過ごせたかなと思います。この前のシート(打撃)で出た課題をしっかりとつぶして、次、また試合で投げて、収穫と課題をまた見つけて、どんどんつぶしていければいいかなと思います」

広島カープ 大瀬良大地 投手
「体のコンディションのところを優先した1か月でしたけど、やりたいこともできましたし、そういった意味では充実したキャンプだったかなと思います。また、しっかりと自分は自分のやるべきことをやれればいいかなと思います。術後の経過っていうところも順調にきていますし、シーズンにどういう形で入るか、まだ全然わかんないんですけど、なんとかローテーションに入って、しっかりと貢献していくことができるように1年間、そういうシーズンにしたいなと思います」

広島カープ 小園海斗 選手
「最初は長くなるかなと思ったんですけど、終わってみれば、すぐ終わっちゃったので。やることはできたかなと思います」

― やろうとしたことはどんな点?
「やっぱりレギュラーを取らないといけないので、やることが多いかなと思ったので、体のメンテナンスだったりとか、そういうところもすごく意識してできたのでよかったです。バッティングが春先、よくないので、特に意識は重点的に置いてできたのでよかったです」

― 例年に比べてことしのキャンプは違った?
「そこまで不安もなくできたのでよかったです」

広島カープ 栗林良吏 投手
「まず、あわてないことが自分の中でテーマだったので、そこは本当にあわてずに自分のペースでやらせてもらいましたし、また体作りも継続してできたので、1か月、すごく充実したキャンプでした」

石田充 アナウンサー
堂林選手が言っていましたけど、40年ぶりの日本一に向けて視界良好だと思います。わたし、2週間、沖縄キャンプに帯同して感じたことが2つあります。

1つは、内野手争いがおもしろい。マット・レイノルズ 選手もきのう、元気でしたし、田中広輔 選手はバッティング好調。矢野雅哉 選手も打撃向上、二俣翔一 選手もがんばって、韮澤雄也 選手もがんばっている。これを見ると、外野手争いだけじゃなくて、内野手争いも見どころ十分だなと今後も楽しみです。

もう1つは、先発ローテ当確と言われている4人。九里亜蓮 投手、大瀬良大地 投手、森下暢仁 投手、床田寛樹 投手。調整方法なんですが、他球団はもうオープン戦でジャイアンツ・菅野投手が先発していたり、タイガース・村上投手が先発しているんですが、カープの4人は、まだオープン戦で投げていないんです。この調整方法が1年間戦った後に振り返ったときに、このキャンプの独自調整らしいんですが、どう出るのかというのが今後、注目だと思います。

そして、いよいよ3月頭からのオープン戦、秋山翔吾 選手と 宇草孔基 選手も合流というふうに言われていますから開幕1軍争いも楽しみです。わたくし、キャンプを見る限り、秋にビールかけができると確信しております。

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