「おもちゃは初めての教育」家庭の経済事情に左右されない仕組みを…おもちゃの『サブスク』東北初展開 福島・富岡町

月単位や年単位で料金を支払って利用するサービス「サブスクリプション(サブスク)」。動画配信や音楽配信のほか、洋服やサプリメントなどのサブスクもあります。サブスクの利用者が増える中、東北で初めて「子どものおもちゃ」でサブスク事業を手がける会社が福島県富岡町にあります。

子どもの目を引くカラフルなおもちゃに、人気キャラクターのおもちゃ。富岡町にある「富岡わんぱくパーク」は、子どもの遊び場として連日にぎわいをみせています。およそ3年前にオープンした施設に置いてあるたくさんのおもちゃは、実は、去年4月から導入したおもちゃのサブスクサービスで届いたものです。

富岡わんぱくパーク・林優佑さん「1か月に1回おもちゃを入れ替えてもらうということで、6~10種類のおもちゃを毎月入れてもらっている。より安全に遊ぶおもちゃとなると(購入すると価格が)高い。サブスクだと、そういったおもちゃでも一定の料金で遊べる」

東北で初めてというおもちゃのサブスク事業を手がけているのが、中山駿さん(32)です。

中山駿さん「レンタルという形で、毎月違ったおもちゃのセットをお届けするサービス。月額料金の3倍~4倍の定価のおもちゃが毎月届く。今は対法人だが、お客様ごとにあわせたセットを出しています。」

おもちゃを買うお金で「体験」を…

中山さんは去年2月、富岡町でおもちゃのサブスクを展開する会社を設立し、現在は富岡町の「富岡わんぱくパーク」や浪江町の「道の駅なみえ」におもちゃを提供しています。

提供するのは、国内外のおもちゃ500種類。0歳から6歳までの幅広い年齢に対応しています。さらに、このサブスクにはおもちゃの提供だけでなく、修繕やクリーニングなども含まれています。

中山さん「けがをすることを最小限に抑えるために納品したいので、自分で(修繕などを)やりたい」

おもちゃは、生まれて初めて受ける教育の一つ。中山さんはコストを抑えられるサブスクで、教育の質が家庭の経済状況に左右されない仕組みを目指しています。

中山さん「(高価な)おもちゃをサブスクにすることによって、おもちゃを買わなくてよくなる。親から子へのプレゼントを『体験』にしてほしい。家族で焼肉を食べに行くとか、ディズニーランドに行くとか、旅行に行くとか」

今後は一般の家庭にも

この日は、契約を結んでいる「富岡わんぱくパーク」の視察です。

中山さん「今月は何が人気ですか?」 担当者「キャラものは人気ですね。アンパンマンとかはかなり人気」

こちらでは、月額2万円ほどの契約で、毎月6万円相当のおもちゃの提供を受けています。来月に向けては…。

中山さん「春休みというと小学生が入ってくると思うので、年齢層高めの、考えさせられるようなおもちゃとかいかがですか」 担当者「小学生が多くなると思うので、そういったおもちゃとやっぱりキャラクターものが強いので、ぜひそういうものもお願いします」

日々変わるおもちゃのニーズ。現場の声に耳を傾けたサービスは、利用者に届いています。

施設を利用する保護者「家にないおもちゃもあるので、すごくいいです。刺激になるし。同じおもちゃって飽きてしまうし、こういう風に変わって遊べるのはいいこと」 施設を利用する保護者「年代に合ったおもちゃがいっぱいあるので、割と色々な世代の子たちが遊びやすい印象がある」

コストパフォーマンスや、教育の質の向上。始まって間もない事業には、新たな可能性が秘められています。

中山さんは、現在は法人を対象におもちゃのサブスク事業を展開していますが、今後は一般の家庭にもサービスを行いたいと話していました。

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