【パリで輝け】ブレイキンISSIN・菱川一心選手(18)五輪最終予選へ「誰もやったことのないダンス」を追い求め大技誕生【岡山】

シリーズでお伝えしている「パリで輝け」。今回は、パリ五輪の追加競技「ブレイキン」での出場を目指す岡山市の高校3年生・ISSINこと菱川一心選手です。

中学生の時から見据えていた最高峰の舞台「オリンピック」まで半年。先日の全日本選手権で優勝した勢いに乗る、18歳の今です。

世界中の人にISSINのスタイル「爆発力」を見せたい

(全日本ブレイキン選手権 2月18日)
音楽に合わせ、即興でダンスバトルを行う「ブレイキン」。持ち味は「爆発力」の岡山市の現役高校生・ISSINこと菱川一心選手です。

(岡山後楽館高校3年 ISSIN選手(菱川一心選手)
「絶対、五輪の舞台に立って自分のダンスを世界中の人に、これがISSINのスタイルだというのを見せたい」

既に国の内外で注目を集めるISSIN選手。見据えるのは、パリ五輪の舞台です。ISSIN選手は、すでにパリ五輪出場権をかけた予選シリーズへの出場が決まっています。

(ISSIN選手)
「『有名になりたいから五輪に出る』のではなくて、『誰もやったことがないことを成し遂げたい』というのが夢で」

「誰もやっていないから、何をやればいいか分からないですけど、いま自分の目の前にある五輪、今まで誰もやったことないし、一発目だし」

「誰もやったことのないダンス」追い求めオリジナルの技に挑戦

五輪は、まさにその夢を叶える舞台なのです。ダンスを習っていた姉の影響で、出会ったブレイキン。始めたのは8歳のときでした(【画像①】)。

(ISSIN選手)
「めちゃくちゃ目立ちたがり屋です。小さい時からずっと変わらず目立ちたがり屋だと思います」

ISSIN選手は、中学生にして既に世界を見据えていました。技術だけでなく表現力や独創性も求められるブレイキン。「誰もやったことのないダンス」を追い求め、このときから難易度の高い技・オリジナルの技に挑んでいました。

(ISSIN選手)
「『ブレイクダンサーといえばISSIN』だとか、みんなから注目される憧れられるようなダンサーになりたいですね」

「どんなダンスをしたいのか」壁にぶつかり去年1年間、自分と向き合う

数々の国際大会に出場する中、2022年に、ニューヨークで行われたブレイキンバトルで、初出場ながらベスト4に輝き世界が注目するブレイクダンサーへと駆け上がりました。

しかし、昨年の全日本選手権で壁にぶつかりました。自分のダンスに迷いなどが生じ思うようなバトルができず、準決勝で敗退してしまったのです。

(ISSIN選手)
「『めっちゃ負けるだろうな』とは思ったけど、『ちょっとは俺勝てるかな』とか思ったけど、テンションだけ上がって、ちゃんと自分の出す予定だった(ムーブを)ちゃんと出せなくて、冷静じゃなかったので」

「全日本3位は入れなくて、ちょっと五輪遠ざかったような気もしますけど、すぐ切り替えます、気持ちは」

「どんなダンスがしたいのか」去年1年間、改めて自分と向き合ったISSIN選手。

(ISSIN選手)
「ちゃんと自分がやりたい部分...『誰もやってない爆発力のある大技』がやっぱり好きなので、そこを自分の中で妥協することなく」

トレーニングを徹底的に行い新たな大技が誕生!

爆発力のある大技に必要な、体力・体幹を鍛えるためのトレーニングも徹底的に行いました。その結果、繰り出せる技の幅も広がり、新たな大技も誕生したのです。

(ISSIN選手)
「一緒に練習していた人が、その形にフリーズで一回なってて、そのフリーズのまま肩で回ったらやばくね?ってぱっと思いついて」

「『足持ち肩キャッチ』っていう、超普通な名前なんですけど、壁でやったら、足持った状態で・・・こうして肩でキャッチして(【画像②】)。自分の中で結構好きな技ができました」

2024年。パリ五輪出場を見据え、自分の納得のいく技の探求を続けます

(ISSIN選手)
「自分の中で迷いから抜け出して、自分のやりたいことがはっきりと見えたので、やるべきことみたいな」

全日本選手権、新技も決まり優勝、五輪最終予選へ

そして2月17日。昨年悔しい思いをした全日本選手権。「優勝」を目標に掲げ会場にやってきました。

(ISSIN選手)「頑張ります」

準決勝で待ち受けていたのは、既にパリ五輪に内定している世界ランク1位のShigekix選手です。ISSIN選手は、一度も勝ったことのない選手を相手に得意のパワームーブでペースを掴むと、編み出した新技も決まります。

「ISSINスタイル」を見せつけた結果、さらに決勝でも圧倒的な強さを見せ、全日本選手権を制したISSIN選手。夢の舞台へ向け大きな弾みとなる優勝です。

(ISSIN選手)
「今はもう『嬉しい』しかないですね。『やったぁ』って感じです。自分のやってきた練習が間違ってなかったんだなという安心と、本当に明日からまた切り替えていかないと、予選大会まで時間がないので、後悔がないように一日一日大切にしていって、五輪最終予選に出て、そのまま五輪内定決めて五輪でぶちかましたいと思います」

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