「給料安くなっては…」物流2024年問題 「無駄な荷物待ち時間やめてくれ」トラック業界と荷主の連携を

物流の2024年問題です。2024年4月からトラック運転手などの時間外労働の上限が年960時間、1カ月平均80時間に制限されます。労働環境の改善につながりますが、現在の基準からは1カ月平均で19時間短縮されることになり、4月以降、輸送能力が14.2%も不足する試算もあります。これまで通りの輸送を続けるには、事業者はドライバーを増やす必要がありますが、人手不足が深刻な状況です。帝国データバンクの調査でも、県内企業の75%が「マイナスの影響」があると回答しました。こうした中、佐久地域では27日労働局やトラック事業者などが集まり、今後の対応などについて情報共有しました。

佐久地域で開かれた合同説明会。およそ70社のトラック事業者が労働局や運輸局の説明を聞きました。

トラック事業者はー。

運送関係事業者(小諸市):
「荷物待ち時間も全部労働時間にカウントされるということで、無駄な待ち時間をやめてくれと要望した」

運送関係事業者(佐久市):
「運転手の確保とか非常に心配。少子高齢化で、これからのトラック業界、厳しくなってくると思う」

2024年問題に対応するには「荷主」の協力が重要です。運賃の値上げを要望し、賃金をアップさせることがドライバーの確保につながります。

また、長時間労働につながる積み込みや荷下ろし作業の待ち時間も荷主との連携で削減することが可能です。

これまでトラック事業者から指摘しづらい状況がありましたが、労働基準監督署も「荷主」に対し指導を行うと説明しました。

小諸市の運送業「まるひろ」の中込裕幸社長。いち早く対策してきた業者の一つです。小諸市を拠点に大型トラックなど27台所有し、野菜や建設資材などの荷物を全国に運んでいます。

2024年問題への対応は2023年4月から準備してきました。

まるひろ・中込裕幸社長:
「われわれ単独では成しえないことなので、客(荷主など)も含め一緒に取り組まないとできることはない」

中込社長は2023年4月から荷主などに対し輸送料の値上げと稼働ルートの変更をセットで依頼し続けました。例えばこれまで京都に野菜を届ける場合は1日で届けていました。

しかし、2023年からはドライバーが途中で休憩を取り翌日に届けています。1人が運ぶ量は減り労働時間も短くなりますが、その分、輸送の料金を値上げしてもらいドライバーの賃金には影響していません。

まるひろ・中込裕幸社長:
「給料が安くなってしまうことはあってはならない。しっかりと荷主と交渉し運賃をいただくことが大事」

中込社長は2024年問題への対処は個人も含めた荷主とトラック業界が協力・連携していくしかないと話します。

まるひろ・中込裕幸社長:
「きつい仕事というイメージはあると思うので、ドライバーが集まらないのはどの会社も一緒。客(荷主)からしっかり運賃をいただきながら処遇・待遇を改善して先に進むことが一番」

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