政倫審、参院で初開催 野党側「集団的、組織的な不記載は極めて悪質」 進行役の野村哲郎氏「緊張感持ち進める」

参院で初開催された政治倫理審査会=27日、国会

 参院は27日、自民党派閥の政治資金パーティー裏金事件を受けた政治倫理審査会を開いた。野党側幹事の吉川沙織氏(立憲民主党)が「一連の不記載は国民の信頼を損ね国会の権威をおとしめる行為で、複数年にわたり集団的、組織的に行われたのは極めて悪質」とし、安倍派の世耕弘成前参院幹事長ら32人の審査を申し立てた趣旨を説明した。参院での開催は1985年の政倫審設置以来初めて。

 野村哲郎政倫審会長(自民、鹿児島選挙区)が進行役を務めた。吉川氏は「冷静な審査で問題の構造を明らかにし、二度と事態を発生させないことにつなげたい」と訴えた。

 会合後、与党側幹事の佐藤正久氏(自民)は記者団に「各議員の出席意向を確認し、どういう形で進めるか考えたい」と答えた。吉川氏は公開の在り方について「国民から政治への厳しい視線が注がれている。公開が筋だと思うが、今後はその都度の協議になるだろう」と見通しを示した。

 参院政倫審の委員は15人で、うち野党は5人。議員の弁明を実施するには出席委員の過半数による議決か、議員本人の申し出が必要になる。野村会長は「初の開催を重く受け止めている。緊張感を持ち進めたい」と語った。

〈関連〉趣旨説明する野党側幹事の吉川沙織氏=27日、国会

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