大倉集古館の春、名品《夜桜》もお目見え!
大倉集古館で開催中の企画展「大倉集古館の春 ~新春を寿ぎ、春を待つ~」[2024年1月23日(火)~3月24日(日)]を見て来ました。
横山大観筆の名品《夜桜》も展示。花鳥風月をテーマにした絵画を中心に、今年の干支・龍や吉祥をモチーフにした作品を見ることが出来ました。
大倉集古館
吉祥のモチーフ「末広がり」《扇面流図屏風》の不思議な縁
宗達派(そうたつは)の名品《扇面流図屏風》。
四季の草花と和歌が描かれた扇が、右隻から左隻へ舞うように流れて行きます。
開くと先まで広がる「末広がり(すえひろがり)」のおめでたい吉祥のモチーフ・扇を水流に散らした屏風図です。
『源氏物語』の各場面を描いた色紙が所々に配されていますが、後に追加で貼り付けられたものだそうです。
生々流転。左隻の先には水流に壊れてゆく扇が。諸行無常の理(ことわり)でしょうか。
運命の流れに翻弄される『源氏物語』の登場人物のようにも見えます。
はじめに大倉集古館に収蔵されていたのは右隻でした。その後不思議な縁で左隻も収蔵されたとか。6曲1双が揃って春を寿ぎます。
《仙人に龍図》
今年の干支、辰年にちなんだ龍のモチーフ《仙人に龍図》。
大きな目玉をギンと見開いて黒雲とともにあらわれた龍。刺さったとげを抜いてもらおうと仙人のところにやって来ました。
恐れる様子もなく龍に歩み寄る仙人。仙人の前では大人しくしている龍の様子がカワイイです。
ニコニコ福の神、重要文化財《銹絵寿老図六角皿》
尾形光琳(おがたこうりん) 画、尾形乾山(おがたけんざん) 作の重要文化財《銹絵寿老図六角皿》。
縦に長い頭。巻物を手にニコニコとした穏やかな笑み。
光琳の軽快な筆致で描かれた生き生きとした七福神の福の神、寿老人(じゅろうじん)です。
横山大観(よこやまたいかん)筆《夜桜(よざくら)》幻想
右隻から松林の中を進むと桜の木がかがり火に照らされて見えてきます。
さらに左隻へ進むと、赤く立ち昇る篝火の炎に照らされて、目の前に爛漫と咲き誇る夜桜があらわれます。
背景の山は夜の闇に滲むように黒く沈み、山入端には白々とした月の光。
昭和5年(1930)、大蔵財閥2代目・大倉喜七郎(おおくらきしちろう)が実現した「ローマ日本美術展」への出品作品です。
暗闇から浮かび上がるような幻想的な夜桜。日本らしい風景を描いた横山大観の傑作です。
春の訪れを花鳥風月の絵画や工芸品で寿ぐ
大倉集古館、企画展「大倉集古館の春 ~新春を寿ぎ、春を待つ~」は3月24日(日)まで開催です。
今年の干支の龍のモチーフや、花鳥風月をテーマとした絵画や工芸の名品優品で春を寿ぐ展覧会です。
是非お出かけください。
ミュージアムショップ
ミュージアムグッズは、桜茶(540円)、SAKURAミルキーバスパウダー(429円)、3重ガーゼハンカチ 桜染め/ピンク(1,540円)を購入。
桜茶は、ほんのり甘い春の香り。
※茶器と茶托は非売品です。
〇大倉集古館
〒105-0001東京都港区虎ノ門2-10-3(オークラ東京前)
TEL:03-5575-5711
交通:東京メトロ南北線 六本木一丁目駅 中央改札(泉ガーデン方面)より5分
東京メトロ日比谷線 神谷町駅 4b出口より7分
東京メトロ日比谷線 虎ノ門ヒルズ駅 A2出口より8分
東京メトロ銀座線・南北線 溜池山王駅 13番出口より10分
東京メトロ銀座線 虎ノ門駅 3番出口より10分
※駐車場はありません。
〇企画展「大倉集古館の春 ~新春を寿ぎ、春を待つ~」
会 期:2024年1月23日(火)~3月24日(日)
開館時間:10:00~17:00(入館は16:30まで)
休 館 日:毎週月曜日(祝日の場合は翌火曜日)
入 館 料:一般:1,000円、大学生・高校生:800円
※学生証提示が必要です 中学生以下:無料
※同会期中のリピーターは200円引き(前回ご来館のチケットをご持参ください)
※20名様以上の団体は100円引き
※障がい者手帳、被爆者手帳をご提示の方と同伴者1名は無料
※お着物(和装)でご来館の方は200円引(割引併用不可)
※ミュージアムショップ:大倉集古館の営業時間に準ずる