北村匠海は正義も悪もお手のもの? 『アンチヒーロー』長谷川博己との再共演への期待

長谷川博己が主演を務める4月期のTBS日曜劇場『アンチヒーロー』に北村匠海が出演することが発表された。

まだまだ本作の情報はわずかながらも、長谷川の久々の連ドラ出演作であること、「殺人犯をも無罪にしてしまうという限りなくダークで危険な弁護士」という役の設定から、早くも大反響を呼んでいる。気になる共演者は誰だ……と思った矢先に発表されたのが、北村というわけだ。

北村が演じるのは、長谷川と同じく弁護士。役名も発表されておらず、長谷川演じる弁護士と同じ事務所の同僚という情報しかない。相棒的な関係性になるのか、それとも敵対関係となるのか。ライターのnakamura omame氏は、「この2人の共演は間違いない!」とその相性に太鼓判を押す。

「北村さんが出演発表時に『別の世界では長谷川さんはかつて先生でしたが、『アンチヒーロー』の世界では共に弁護する仲間として、1日1日を過ごしております』とコメントを寄せているとおり、お二人の共演作といえば何と言っても2011年に放送された『鈴木先生』(テレビ東京系)です。長谷川さんの役者としての確かな実力を多くの人が知った作品であり、鈴木先生の生徒たちには、北村さんをはじめ、土屋太鳳さん、松岡茉優さん、小野花梨さんら、現在も第一線で活躍する錚々たる若手俳優たちが揃っていました。10年以上前の作品で教師と生徒だった2人が、同じ弁護士として肩を並べるというのは、非常に感慨深いものがあります。長谷川さんと北村さんは『鈴木先生』以外の作品でも共演はされていますが、真正面から向き合うのは本作が初に近い形になるはず。この数年で学生役から“卒業”している北村さんが、影の中で生きる弁護士としてどんな表情を見せてくれるのか、今から楽しみです」

北村は2019年に放送されたTBS日曜劇場『グッドワイフ』でも弁護士を演じている。放送時、北村はまだ21歳。主人公・蓮見杏子(常盤貴子)のライバル弁護士・朝飛光太郎として、若者ゆえの無邪気さと、彼が隠し持っていた心の闇を見事に演じのけた。そのときの北村の芝居が鮮明に焼き付いているとnakamura氏は振り返る。

「放送時にコラム(『グッドワイフ』北村匠海の絶妙なおちゃらけ具合が愛らしい 過去に縛られずに前進する朝飛の素顔)でも書きましたが、北村さんの演技はとにかく“ナチュラル”。周囲の人物の心をつかむ愛されキャラも、過酷な幼少期を過ごしている心の闇を抱える人物も、二重人格のような別のキャラクターにはならずに、両方の要素を持ったそこに生きる人物として表現することができる。『グッドワイフ』から現在まで多くの作品に出演されていますが、漫画実写化作品で起用されているのも、どんな色にも染まることができる、かつそこに“自分”をしっかり打ち出すことができる北村さんの類まれな演技力があるからだと思います。『アンチヒーロー』で演じるキャラクターの性格はまだ分かりませんが、作品のキーワードとなっている“正義と悪”の演じ分けは、北村さんの演技力がもっとも発揮されるテーマのようにも感じます」

果たして、『アンチヒーロー』で北村は“正義”の弁護士となるのか、それともまったく違う価値観を提示する弁護士となるのか。プロデューサーの飯田和孝氏が、「北村さん演じる弁護士の『心』が、視聴者にどのように届くのか、どう感じてもらえるのか、今から楽しみでなりません」とコメントしていたように、視聴者の心を揺さぶる芝居を見せてくれることは間違いなさそうだ。

(文=石井達也)

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