「皆さんに来てほしい」長谷川唯がスタジアムでの後押しを呼びかけ、北朝鮮の監督が名指しでの警戒に「もっとインパクトあるプレーを」

北朝鮮戦へ意気込みを語る長谷川唯[写真:©超ワールドサッカー]

なでしこジャパンのMF長谷川唯(マンチェスター・シティ)が、パリ・オリンピック アジア最終予選第2戦の北朝鮮女子代表戦へ向け意気込んだ。

なでしこジャパンは北朝鮮との第1戦を24日に中立地のサウジアラビアで行い、ゴールレスドローで終えた。第2戦は28日に国立競技場で行われ、勝った方がパリ行きの切符を手にするという、シンプルな構図で迎える。

第1戦にも先発出場した長谷川。チームとしてなかなか攻撃面では良いところが出せずに終わったが、ゴールレスで終えることができた。

勝利すれば良いという条件の中での第2戦に向けては「勝つしかない試合ですけど、責任を背負いすぎるというよりはプレッシャーも楽しんで、内容も大事ですけど結果だけを求めて、楽しんでプレーしたいと思います」と意気込みを語った。

長谷川は2018年に行われたアジア競技大会の準々決勝で北朝鮮と対戦。その試合でゴールを記録していた。

当時のイメージについては「ほとんど覚えていないです。ゴールのことも最近北朝鮮とやる少し前に思い出しました」とコメント。「あまり意識はしていないですが、いつやっても嫌な相手だなという印象がありました」と、難しい相手というイメージはあるようだ。

また「この前の1戦目も難しい戦いになりましたし、久しぶりにああいうチームとやってやりにくさを感じました。日本人の選手として同じチームとやることは嫌じゃなく、自分達にアドバンテージがあると思っているので、修正力、対応力を活かしながら、明日はもっとボールを支配して勝てればと思います」と、24日の試合を生かして、決戦で勝利したいとした。

今回の試合もゴールが期待されるが「前目のポジションをやっていることは所属チームよりも多いので、ゴールに絡めるプレー、ゴール、アシストの結果を残せるプレーを見せたいと思います」と意欲を見せることに。得点に絡むプレーを長谷川が見せれば、自ずと日本に勝利が舞い込むことになるだろう。

そんな長谷川だが、北朝鮮のリ・ユイル監督は警戒する選手として名前をあげていた。

長谷川は驚きながらも「そうやって言われることは良いことだと思います」と語りつつ、「1戦目はチームとしても個人としても何もできなかったと思っているので、もっとインパクトあるプレーを見せられたら良いなと思います」と、より結果に繋がるプレーを見せたいとした。

当然警戒も高まることになるが「自分自身が良いプレーをすることは大事ですけど、相手がたくさん寄ってきてくれるということは周りが空いているので、そこを上手く使って、自分が直接関わらなくても他の選手がやりやすいプレーをできればと思います」とチームとして良い捉え方をしたいとコメント。「相手を引きつけるだけのプレーも必要ですし、個人突破も必要だと思います。1戦目は1人1人が剥がすプレーができなかったことが問題だと思いますし、そこを引き出せればと思います」と、しっかりと対応していきたいとした。

その舞台となる国立競技場のピッチだが、芝の状態が良くない。前日練習でピッチに立った長谷川は「ちょっと荒れているということは聞いていたので、思っていたよりも土っぽいという感覚はありました」と言及。「やっていても滑る印象はなかったんですけど、ボールが転がりやすかったりイレギュラーなバウンドをするなということはありますが、それは言い訳にならないので、しっかり対応したいと思います」と、問題はありながらも言い訳にはしないとした。

そして、チケット販売も芳しくないという事実がある。27日の17時時点では2044枚しかゴール裏が売れておらず、北朝鮮側は3000枚全てが売れて完売という状況だ。

試合当日もチケットが販売される予定だが、ファン・サポーターに向けた長谷川は「この大きな舞台でやらせてもらっているということで、たくさんの方に見ていただきたいです」と来場を願うことに。「Jリーグではヴェルディがたくさんのお客さんを集めて試合をしていたので、ああいう場でできればと思っています。皆さんに来てほしいと思います」と、スタジアムで声を届けてもらいたいと訴えた。

© 株式会社シーソーゲーム