インフレ圧力根強い、政策変更前に一段の確証必要=英中銀副総裁

[ロンドン 27日 ロイター] - イングランド銀行(英中央銀行)のラムスデン副総裁は27日、英国のインフレ圧力は依然として根強いとし、中銀が金融政策の変更を検討する前に、インフレ圧力がいつまで続くのか一段の情報が必要になるとの考えを示した。

欧州金融市場協会(AFME)での講演後の質疑応答で、サービス分野のインフレは賃金の伸びや労働市場の逼迫と並んで注視すべきと指摘。「サービスインフレは2%のインフレ目標に合致する水準を依然としてはるかに上回っている。緩和しつつあるが、重要な指標だ」と述べた。

中銀は今月1日の会合で、政策金利を約16年ぶりの高水準である5.25%に据え置くと決定。金融政策委員会9人のうち、ラムスデン氏を含む6人が据え置きに賛成した。

この会合以降、ベイリー総裁やハスケル委員、グリーン委員を含む金融政策委員会メンバーは、インフレリスクの低下を示す一段の証拠が必要との認識を示している。

1日の会合で唯一利下げを支持したディングラ委員は、金利を高水準に維持すれば国内経済のハードランディングを引き起こしかねないと述べている。

ラムスデン氏は中銀の「よりバランスの取れた見通し」を支持すると述べ、市場は今後数カ月中の利下げに道を開いたと受け止めた。

講演の原稿で「サービスインフレと賃金の伸びは、ここ数カ月で昨年秋の予想より大きく低下しているが、インフレの持続性を示す重要な指標は依然として高水準にある」と指摘。「この持続性がどの程度続くのか、金利を現行水準にどの程度の期間維持する必要があるのか、より多くの情報が必要になる」と述べた。

中銀はインフレ率が第2・四半期に2%の目標まで低下した後、年内に2.75%程度まで上昇すると予想している。

市場では現在、中銀が8月に利下げに着手すると予想されている。

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