栃木県内各地で強風、道の駅のアーケード倒壊 日光杉並木で倒木、停電や鉄道の乱れも

設備の一部が壊れ、窓ガラスが割れた道の駅「明治の森・黒磯」の仮店舗=27日午後4時45分、那須塩原市青木

 栃木県内は27日、各地で強い風に見舞われ、那須塩原市などで屋根の一部が剥がれたり、木が倒れたりする被害が相次いだ。倒木による通行止めや停電があったほか、鉄道の遅れも生じた。

 同市によると、市営ごみ処理施設「那須塩原クリーンセンター」で、施設の屋根の一部が剥がれた。安全確保のため、ごみの持ち込みの受け入れを停止した。道の駅「明治の森・黒磯」では仮店舗前のアーケードが崩れ、仮店舗のガラス戸が割れた。道の駅は28日まで臨時休業となった。

 同市高林中では、スクールバス車庫(現在は未使用)のシャッターが破損。同市内では他に住宅の屋根の一部が剥がれ、倒木は15件(午後4時現在)発生した。倒木の影響で、同市と那須町では計約1200軒が停電した。

 午前10時15分ごろには、日光市室瀬の国道121号(例幣使街道)で杉並木の1本が倒れた。付近は午後0時40分まで通行止めとなった。

 宇都宮市内でもアパートの屋根の一部が剥がれそうになったり、物置が倒れたりした。日光市や芳賀町などの園芸農家にも影響があり、ビニールハウスの一部が破けたとの被害報告が県に数件あった。

 鉄道の運行も乱れた。JR東日本によると、東北新幹線は一部区間で速度を落として運転。宇都宮線も断続的に運転を見合わせ、上下線で遅れが出た。

 気象庁によると、同日は那須高原で最大瞬間風速30.7メートルを観測。奥日光29.0メートル、黒磯27.0メートルと続いた。午後8時現在、同日の最大瞬間風速では那須高原は全国2位、奥日光は3位だった。最大風速は那須高原16.8メートル、宇都宮15.7メートルを記録した。

強風で倒木した杉並木=27日午前、日光市室瀬

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