卒業式「みんなと同じ制服で」 被災で泥だらけ、企業が新品贈る

新しい制服を喜ぶ久保さん(右)=田鶴浜高

  ●田鶴浜高、久保さんに

 地震で七尾市内の自宅が被災し、制服が泥だらけになった田鶴浜高衛生看護科3年の久保心遥(こはる)さんの元に、新しい制服が届いた。着る機会は3月1日の卒業式だけだが、同校の制服を手掛ける学生服大手「菅公学生服」が無償で用意。久保さんは「みんなと同じ制服で卒業できることがうれしい」と笑顔を見せている。

 久保さんは七尾市中島町外(そで)の自宅が損壊し、制服はがれきの下敷きになった。土砂で汚れ、学校が再開されてからは体操服で通学していた。

 2月9日に新年度から着用する専攻科の制服の採寸があり、学校を訪れた菅公学生服の担当者が、3年生で1人だけ制服が着られなくなった久保さんの力になりたいと新品を無償提供した。同校の卒業式はかほく市の県立看護大で行われる。

 久保さんは「患者さんに親身に接し、喜ばれるような看護師になりたい」と憧れの職業を目指す決意を新たにした。

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