男子テニス元世界王者マリーが“数カ月以内の引退”を示唆!「残された時間は長くないが最善を尽くすつもりだ」<SMASH>

かつて男子テニス界の「ビッグ4」の一員として名を馳せた元王者アンディ・マリー(イギリス/世界ランキング67位)が「数カ月」以内で現役を退くことを示唆した。

現在開催中の「ドバイ・デューティフリー選手権」(2月26日~3月2日/UAE・ドバイ/ハードコート/ATP500)にエントリ―しているマリー。現地26日に実施されたシングルス1回戦では、デニス・シャポバロフ(カナダ/120位)と対戦。2時間32分に及ぶフルセットの末に4-6、7-6(5)、6-3と逆転勝利を収めた。

これによりマリーはハードコートにおける通算500勝をマーク。ロジャー・フェデラー(スイス/783勝)、ノバク・ジョコビッチ(セルビア/700勝)、アンドレ・アガシ(アメリカ/592勝)、ラファエル・ナダル(スペイン/518勝)に並ぶ偉業を成し遂げたのである。

「ハードコートは長年私が得意としてきたサーフェスだから500勝できたことは誇りに思う。この記録を達成した選手は多くないからキャリアを終えるまでに到達できてうれしい」とオンコートインタビューで語っていたマリー。

だが試合後、英メディア『BBC』のインタビューでは、自身のテニスキャリアは「数カ月」しか残されていないかもしれないと突如引退を示唆したのである。
『BBC』によればマリーは「おそらく私に残されている時間はそれほど長くない、この数カ月間は最善を尽くすつもりだ」と語り、「私は今でも競争することが好きで、ゲームも大好きだ。だが、年齢を重ねるほど健康でフレッシュな身体を維持するための競争をするのが難しくなっている」と胸の内を明かした。

先週開催された「カタール・オープン」(カタール・ドーハ/ATP250)の1回戦で勝利するまで6連敗中だったマリー。思うような結果が出せないマリーに対して2月上旬に『BBC』では、「勇敢に戦い続けることが、いつか彼のレガシーを汚すことになるかもしれない」と今がキャリアの引き際であると評したが、これに対してマリーは「辞めるつもりはない」と否定していた…。

だがここにきてキャリアの幕引きについて言及したマリー。その決断の裏には「ハードコート通算500勝達成」という節目に達したことも影響しているのかもしれない。

グランドスラムで3度(ウインブルドン2回・全米1回)の優勝を誇り、2016年11月に世界ランキング1位を獲得。さらにオリンピックでは2大会で金メダルを手にした。そして2019年には長引くケガを補うために人口股関節置換手術を受けて再び戦線に戻ってきた。英国テニス界の鉄人は、果たしてその言葉どおり「数カ月」でラケットを置くことになるのか。

今季2勝目を挙げたマリーは現地28日、ドバイの2回戦で第5シードのユーゴ・アンベール(フランス/同18位)と対戦することが決まっている。

構成●スマッシュ編集部

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