ケガから復帰の岩田智輝が久々の先発! 地元メディアも絶賛「なぜ出場機会が少なかったんだ…」

セルティックに所属しているMF岩田智輝の現地での評価が高まっている。

現在26歳の岩田は、2022シーズンに横浜F・マリノスでJ1優勝に貢献しただけでなく、Jリーグの最優秀選手賞(MVP)も受賞し、2023年冬の移籍市場でセルティックの一員となった。加入直後はベンチを温めていたものの、昨季終盤はボランチやセンターバックで先発出場の機会も増加。だが、横浜FM時代の岩田をよく知るアンジェ・ポステコグルー監督は昨年夏にトッテナムへ向かい、ブレンダン・ロジャーズ新監督の下では再び序列が下がっていた。

それでも、昨年12月に行われたスコティッシュ・プレミアシップ第16節のハイバーニアン戦でスタメンに抜擢されると、豊富な運動量と対人での強さを武器に中盤を制圧し、4-1での勝利に貢献。第17節キルマーノック戦(●1-2)でも先発に名を連ねると、続くチャンピオンズリーグ(CL)・グループF第6節のフェイエノールト戦でもスタメンの座を掴んでいた。

だが、岩田は不運にもフェイエノールト戦の前半に負傷。以降は公式戦のピッチから遠ざかり、状態が心配されていた。2カ月近くの時を経て、今月17日に行われた第26節キルマーノック戦(1-1)で再びベンチメンバーに復帰。25日に行われた第27節マザーウェル戦(○3-1)で先発に戻ってくると、77分まで安定感のあるパフォーマンスを披露した。

このマザーウェル戦の活躍を受けて、セルティック専門メディアの『67 HAIL HAIL』は「この日本人MFは、カラム・マクレガーとマット・オライリーの後方でプレーし、より深い位置、つまり4バックの前で相手の危険なパスをカットしながら安定感をもたらした」と評価した。データサイト『Fotmob』によると、11回の守備時のアクションと9回のボール奪取が確認されている。加えて、データサイト『Sofascore』ではパス成功率93%(55本中51本)が記録され、そのうち1本がキーパスであったと計測。「なぜ今シーズン、多くの出場機会を得られていなかったのか、人々を困惑させるようなパフォーマンスだった」と岩田を称賛した。

セルティックのファン・サポーターも岩田の働きを高く評価していた模様だ。現地メディア『デイリー・レコード』によると、マザーウェル戦の77分にU-21ポルトガル代表MFパウロ・ベルナルドとの交代で岩田がピッチを後にする際には、もっと長く岩田のプレーを見ていたい一部のファン・サポーターが、抗議の意味を込めてブーイングを飛ばしていたという。

この交代の理由を、『67 HAIL HAIL』は直近のプレー時間の少なさからくるコンディション管理のためだと指摘。しかしながら、「『ファー・パーク』での試合に向けて狂いが発生していたエンジンルームに、バランスをもたらしたのは岩田だ。彼のパフォーマンスは傑出していた」と続け、岩田のパフォーマンスを絶賛した。

この後、セルティックは28日にスコティッシュ・プレミアシップ第28節のダンディー戦が控えている。マザーウェル戦からは中2日という過密スケジュールの中での開催となるが、「ノース・ラナークシャーで称賛に値するパフォーマンスを見せた後、彼が再びスタメンから外れるというのは酷すぎる。水曜日の夜、セルティックはまたしても重要な勝点『3』を追い求めるのだから、岩田は2試合連続で先発メンバーに名を連ねるはずだ」と岩田のスタメンを予想した。

今季はケガの影響もあって、岩田は満足のいくシーズンを過ごせていない。それでも、大分トリニータや横浜FMでそのポテンシャルの高さは遺憾なく発揮されており、スコットランドの地でも本来の力を発揮して成長を続けられれば、主力にのし上がっていくことに疑いの余地はない。

現在、セルティックは“宿敵”のレンジャーズに首位の座を明け渡しており、3連覇に向けて正念場を迎えている。果たして、岩田は悩めるセルティックを救う“救世主”となれるだろうか。今後の岩田のパフォーマンスに注目だ。

【ハイライト動画】岩田智輝の復帰戦!マザーウェルvsセルティック

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