感謝胸に祭り準備 富山県高岡市伏木

 日が落ちると、富山県高岡市伏木本町の山倉に住民が集まってきた。声をかけ合って丸太の向きを変え、加工する場所に印を付けていく。5月の伏木曳山(ひきやま)祭に向け、山車(やま)をぶつけ合う部分を作る木材を切り出すためだ。

 山車が巡行する道路には今も、隆起した場所や地面に沈んだ電柱など液状化の爪痕が色濃く残る。山車をぶつけ合う祭りの目玉「かっちゃ」ができるかどうかは分からない。

 「地元の人はもちろん、北陸を応援してくれる全国の人の思いに応えたい」。今年の一番山を務める本町の総代、鶴谷卓哉さん(41)は仲間と集える感謝を胸に、準備に励む。

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