甘い“桃”が実るように 県内唯一の温室桃受粉作業 ピンク色の花が陽春に似た景色に/岡山・勝央町

約30年前から温室桃を育て、現在では岡山県内唯一となった勝田郡勝央町石生の農業・石川裕之さん(47)方のビニールハウスでは、授粉作業が進んでいる。温度が20度に保たれた室内では色鮮やかなピンク色の花が咲きそろい、陽春に似た景色が広がる。

同所では約13アール計3棟で、極早生品種「はなよめ」をはじめ、早生品種「日川白鳳」、「さくひめ」などを栽培。例年どおり12日から成長の早い「さくひめ」が咲き始め、その後次々と開花。今年は暖冬の影響で品種によっては開花に遅れが見られるが、花の色づきは良く、順調に育っているという。

26日は、母・里江さん(70)と作業を行い、羽毛が付いた交配用の棒で一輪一輪丁寧に花粉を付けていた。作業は3月上旬まで続き、4月下旬には極早生品種が出荷される予定。今年は4品種の桃の木22本のから計1.3トンの収穫を見込んでいる。

裕之さんは「糖度の高い桃が実るように、毎年栽培の仕方の研究している。おいしい桃がみなさんにお届けできるように励んでいきたい」と話している。

温室内で咲きそろう鮮やかなピンク色の桃の花

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