工事関係者の輸送、作業船の監視…西之表の漁船の3割は馬毛島自衛隊基地整備と関わり 出漁機会が減少?水揚げ量3割減る

漁船で馬毛島に向かう工事関係者=西之表市の西之表港

 鹿児島県は27日の県議会代表質問で、種子島漁協西之表地区の漁業者の約3割(漁船218隻のうち66隻)が西之表市馬毛島に渡る交通船など自衛隊基地整備に関わる船舶業務を担っていると説明した。

 昨年12月22日時点で馬毛島の基地整備には2800人が従事。うち1800人は種子島1市2町の仮設宿舎や宿泊施設で暮らし、交通船で行き来している。県水産振興課によると、漁業者は工事作業船などの監視にも携わっている。

 昨年4月から1月までの水揚げ量は前年同期比で約3割減り、トビウオやトコブシ、キビナゴは約7割減った。平林孝之商工労働水産部長は要因について、海洋環境などの変化や燃油高騰、交通船業務などの従事に伴う出漁機会の減少、馬毛島周辺海域の漁業制限などを挙げた。

〈馬毛島の変化を写真で比べる〉北側上空から見た馬毛島。左は2023年1月12日撮影、右は24年1月8日撮影=いずれも本社チャーター機から

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