雪がほとんど降らないのに「冬用タイヤ」を買うのはもったいない? 実際「交換してる人」はどのくらいいるの? 違反した場合の罰金についても解説

冬用タイヤ装着率は地域によって異なる

一般社団法人日本自動車連盟(JAF)が運営するメディア「JAF Mate Online」によると、首都圏平野部で冬用タイヤに交換する人の割合は2~3割です。つまり、首都圏平野部では7~8割の人がタイヤ交換をしていないということになります。一方、北国から日本海側では、ほぼ10割の人が冬用タイヤに交換しています。

高速道路における冬用タイヤ装着率について見てみると、NEXCO東日本が行った調査によると、首都圏地域の冬用タイヤ装着率は2023年12月の時点で62.3%でした。大型車は86.8%、小型車53.9%という割合です。

さらに、2024年1月の調査では全体的に装着率が上がり80.9%(大型車97.7%、小型車76.1%)となっています。首都圏では、1月になっても小型車では1/4程度は冬用タイヤを装着していないことが分かります。

一方、降雪の多い新潟地方では、2023年11月時点で全体の88%(大型車92%、小型車85%)、12月には96%(大型車100%、小型車94%)が冬用タイヤを装着しています。

冬用タイヤの交換にいくらかかる?

業者に冬用タイヤの交換を依頼する場合、タイヤ本体の購入+装着工賃がかかります。三井住友海上の公式ホームページによると、タイヤ本体の購入と装着工賃をあわせて10万円前後が目安となります。

タイヤ本体の価格は、メーカーやグレードによって1本あたり3000~4万5000円と幅があり、装着工賃は4本で1万円前後(タイヤ同時購入の場合)です。タイヤを持ち込む場合は、装着工賃が高くなったり別途持ち込み代が必要となったりするケースもあります。

雪道をノーマルタイヤで走行するのは法令違反

積雪・凍結路で冬用タイヤを装着していないと、ブレーキが作動してから車が停まるまでの距離が長くなります。つまり、冬用タイヤを装着している場合と比較すると、事故を起こす確率が上がるということです。

積雪や凍結した道路での冬用タイヤ・タイヤチェーンなどの装着は、義務として法令で定められています。

東京都の場合、「東京都道路交通規則 第8条6号」にて「積雪又は凍結により明らかにすべると認められる状態にある道路において、自動車又は原動機付自転車を運転するときは、タイヤチェーンを取り付ける等してすべり止めの措置を講ずること」と定められています。

この規則に違反すると、公安委員会遵守事項違反として大型車7000円、普通車・二輪車6000円、原付車5000円の反則金を科せられるため注意しましょう。

積雪や路面凍結の恐れがあるときは運転しないのも1つの手

例年では雪がほとんど降らない首都圏では、高速道路を走行する人は多くが冬用タイヤを装着しているものの、一般道路での装着率は決して高くはありません。しかし、積雪・凍結路での冬用タイヤの装着は義務で、違反すると罰金が課せられるため注意しましょう。

積雪や凍結路を走行する可能性がある人は、冬本番前にタイヤ交換をすることをおすすめします。雪がほとんど降らずどうしても冬用タイヤに交換したくない人は、積雪や路面凍結の恐れがあるときは運転しないのも1つの手です。

出典

NEXCO 東日本 関東地域の高速道路における冬用タイヤ装着状況調査結果について(最終報)
NEXCO 東日本 新潟県内における高速道路の冬用タイヤ装着率調査の結果について(第4回:最終)
JAF Mate Online 「冬のタイヤ事情」を調査

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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