イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相は27日、アメリカにおけるイスラエルへの大衆的な支持が、ハマスに「完全に勝利するまで」戦うイスラエルの助けとなると述べた。最近の米世論調査で、パレスチナ自治区ガザ地区での紛争をめぐってアメリカ人の80%以上がイスラエルを支持していることが示され、同首相はこれを引き合いに出した。
ネタニヤフ首相は声明で、自分はこの紛争が始まって以来、「早々に戦闘を終結させようとする国際的圧力に対抗し、イスラエルへの支持を集める」キャンペーンを主導してきたと述べた。
「我々はこの分野で大きな成功を収めている」とネタニヤフ氏は付け加え、米国民の82%がイスラエルを支持していることを示す直近の世論調査を引き合いに出した。「これは、完全な勝利を収めるまで軍事行動を継続するための、さらなる力を我々に与えるものだ」。
アメリカのジョー・バイデン大統領は前日、イスラエルがガザ地区での戦争で世界的な支持を失う恐れがあると警告していた。
米政府関係者は、イスラエルとイスラム組織ハマスの停戦合意の実現に向けて取り組みを続けているとしている。
イスラエルは「国際的支持を失うおそれ」と米大統領
バイデン大統領は26日、アメリカはガザ地区でのイスラエルとハマスの停戦が、「来週月曜日(3月4日)までに」実現することを望んでいると述べた。
バイデン氏はその後、イスラエルが「信じられないほど保守的な政府を維持する」のであれば、「世界中からの支持を失う」可能性があると示唆した。
AP通信と全国世論調査センター(NORC)が1月に実施した別の世論調査では、アメリカの成人の約半数がイスラエルの行動は「行き過ぎている」と回答。昨年11月の40%から増加した。
人質解放と停戦の交渉は
ホワイトハウスと米国務省の関係者は27日、一時停戦に関する交渉が続いていることを認めつつ、交渉の内容や時期といった詳細については明言を避けた。
米国家安全保障会議(NSC)のジョン・カービー戦略広報調整官は、人質をガザ地区から連れ戻し、同地区に人道支援を届ける内容の合意に向けて、先週に「大きな進展」があったことを明らかにした。
「我々は今週、この進展のうえに成り立っている。大統領とそのチームは、同地域の複数のパートナー国と24時間体制で取り組みを続けている」
「しかし、大統領がこの24時間ほどで発言した通り、まだ合意には至っていない。やるべきことはまだたくさんある」
カービー氏は「うまくいけば」6週間の戦闘休止が可能になるとした。実現すれば、昨年11月末の戦闘休止(1週間)をはるかに超える長さとなる。
「この紛争を終わらせるためのより良いアプローチという点で言うと、もっと何かにつながるかもしれない」
米国務省のマシュー・ミラー報道官は、カタールやエジプト、イスラエルと連携する米外交官は「この取引をゴールラインに押し上げようとしている」が、「最終的には、ハマスがイエスと言う必要がある」とした。
ハマス幹部の1人は以前、BBCニュースに対し、同組織の優先事項は人質の解放よりも敵対行為の終結だと述べていた。
ハマスは昨年10月にイスラエルを奇襲し、民間人を中心に約1200人を殺害、253人を人質にとった。この報復として、イスラエルはガザ地区で大規模な空爆と地上攻撃を開始した。
ハマスが運営するガザ地区の保健省は、この戦闘でガザ地区ではこれまでに少なくとも2万9878人が殺害され(このうち96人は過去24時間内)、7万215人が負傷したとしている。
(英語記事 Israel-Gaza war: Netanyahu and Biden spar over support for conflict)