マカオ特別行政区の2023年末財政準備高は約10.8兆円…年間投資利益率5.2%

マカオ金融管理局ビル(資料)=2020年7月本紙撮影

 マカオ金融管理局は2月23日、昨年(2023年)のマカオ特別行政区の財政準備運用状況を公表。

 昨年の財政投資利益は289.8億マカオパタカ(日本円換算:約5417億円)、投資利益率は5.2%だった。昨年末時点の財政準備高は5804.7億マカオパタカ(約10兆8500億円)となり、内訳は基本準備が1520.6億マカオパタカ(約2兆8423億円)、超額準備が4284.1億マカオパタカ(約8兆0077億円)。

 同局によれば、昨年については年初に防疫措置が全面的に緩和され、諸経済が回復する中で利上げが一段と進み、さらには地政学的対立がいまだ収束していない複雑かつ不安定な市場環境の中、慎重な財政準備投資戦略を採用し、厳格なリスク管理を実施することで、資産の保全と価値向上を実現してきたとのこと。また、こうした不確実性が今後も各種資金の価格に影響を及ぼし、今年の財政準備資産の運用に困難をもたらすと見込み、財政準備資産の価値を保全・向上させるという中長期的な目標を達成するため、下振れリスクの管理に重点を置き、安定したリターンを見込める優良資産の配分を慎重に増やしていく方針とした。

 マカオの財政準備が創設された(外貨準備と別枠管理化)のは2012年のこと。これまでの投資利益率の最高は2020年に記録した5.3%。なお、前年の投資利益率は-3.4%だった。

 参考までにマカオ特別行政区の今年度財政予算における総歳出は1022.6億パタカ(約1兆9117億円)。

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