米司法省、反トラスト法でユナイテッドヘルスを調査=WSJ

[27日 ロイター] - 27日付の米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)によると、米司法省が米医療保険・医療サービス大手ユナイテッドヘルス・グループに対し反トラスト法(独占禁止法)に基づく調査に着手した。

事情に詳しい複数の関係筋の話として報じた。医療費高騰が調査の背景にあるという。

記事によると、この数週間、係官が医師グループを含め、同社と競合関係にあるヘルスケア業界の代表者から事情聴取を行った。聴取内容には、同社の保険部門「ユナイテッドヘルスケア」と、医師グループを抱え薬剤給付管理(PBM)などを手がける医療サービス部門「オプタム」との関係を巡る問題が含まれる。

薬価引き下げはバイデン政権の優先課題。昨年はインフレ抑制法に基づいて初めて薬価法制を成立させた。その後は処方せんの仲介業を担うPBM業者に目を向けている。

議会と連邦取引委員会(FTC)は、医療費高騰の背景にPBM業者が関係しているとみて調査しており、仲介手数料を含む取引の公開を義務付ける法案が昨年以来、数本提出されている。

また、WSJによると、高齢者や障害者向けの公的医療保険制度「メディケア」に関する同社の請求の在り方を巡っても、司法省は同社を調査している。

狙いは患者の診断に当たった医師が政府に不当請求しているかどうかを把握することで、係官らは、同社が医師グループを傘下に収めることで競合他社や医療を受ける人たちに及びかねない影響を尋ねているという。

司法省とユナイテッドヘルスはコメントを控えた。

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